マディソン・スクエア・ガーデンの株価急騰！今後の株価は？

日本のテレビニュースでは、しばしば欧米の有名なプロチームで活躍している日本人選手を報じますね。最近は、アメリカのプロ・バスケットボールの八村塁選手がマディソン・スクエア・ガーデンでの試合に出場したというテレビ報道がありました。

　　このマディソン・スクエア・ガーデンは、ニューヨークのタイムズ・スクエアやエンパイヤ・ステート・ビルディングなどの建物から近い場所にあり、ニューヨークを象徴する建物と言えるでしょう。

さて、マディソン・スクエア・ガーデンの他、シカゴ、ボストン、カリフォルニア州イングルウッドなどに劇場、スタジアムを所有・運営する企業が、今回取り上げる $マディソン・スクエア・ガーデン・エンタート (MSGE.US)$です。同社はコンサート、スポーツイベント、アートイベント、ファミリーショーなどのライブイベントを制作・開催しています。

　下の画像１は、バスケットボールの試合をする際のシートマップです。

公式ホームページによれば、上の図のように試合用のコートが建物の中央に配置されると約2万人を収容できます。コンサートの開催時は、アリーナの端にステージが設けられるので、収容人員は若干少なくなります。音楽アーチストにとっては、この有名でキャパシティーが大きいマディソン・スクエア・ガーデンで単独ライブを行うのは、ステータスとなります。

　所で、マディソン・スクエア・ガーデン・エンターテイメントの会社設立は1879年です。この年は和暦では、明治１２年ですので、同社は伝統ある老舗（しにせ）企業ですね。しかし、上場は昨年の4月17日でしたので、上場してからまだ１年経っていません。（出典；moomoo証券）

　現地時間の2月7日の通常取引開始前に公開されたマディソンスクエアガーデンエンターテインメントの8-K（重要事項報告書）によると、第2四半期の売上高は前年同期比13.1％増の4億266万ドルとなった。営業利益は21.1％増の1億3742万ドル。営業利益率は34.1％へ向上した。前年同期比は31.9％だった。1株利益（EPS・希薄化後）は2.59ドル（前年同期1.88ドル）。（出典；みんかぶインフォノイド）

　以上のように同社は2024年度第2四半期（10-12月）の業績は、増収、営業増益だったので、株価が上昇しました。（画像２）

　ここで、マディソン・スクエア・ガーデン・エンターテインメントの営業収益を見ていきましょう。下の画像３の左側は同社の2020年6月発表の収益内容で、66％以上がイベント関連収入でした。右の円グラフは、2023年ですが、収益の内容が大きく変わっています。広告収入が３０％以上で飲食、配信による収入が伸びています。

つまり、マディソン・スクエア・ガーデン・エンターテインメントは、自社で企画したコンサートなどのイベントが収益を支える事業構造にシフトしているようです。イベントを自社で企画、運営すると手間はかかりますが、イベントと同時にライブ配信、その後はアーカイブ配信するなどで大きな利益を得られます。このようなネット配信ビジネスは $ネットフリックス (NFLX.US)$ 等が収益の柱としていますね。マディソン・スクエア・ガーデン・エンターテインメントの収益の変化からは、同社が音楽、スポーツなどのイベントを自社運営し、コンテンツを配信するビジネスを伸ばそうとしているものと思われます。

　一般にエンターテイメント業界は、景気に左右されやすいです。だからこそ、サブスク制のネット配信など継続して比較的安定した利益が得られる仕組みを作った企業が今後も伸びると予想しています。