【朝イチ報】エヌビディアが約１０％安、決算は弱点を明らかに　ISM製造業景況指数が予想に届かず 新たな景気懸念を引き起こし

市場概況
米株は大幅安。ダウ平均は626.15ドル安と3営業日ぶりに大幅反落して終了。S&P500とナスダック総合もそれぞれ2.12％安、3.26％安と大幅反落した。一日の下落率は、リセッション懸念や円キャリートレードの巻き戻しで急落した8月5日以来の大きさとなった。米製造業データが低迷し、経済減速への懸念が高まったため、米国株全体が急落し、それに伴い半導体株も影響を受けた。４日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に売り優勢の地合いとなり、日経平均株価は大きく下値を探る展開を強いられそうだ。

トップニュース
米8月ISM製造業景況指数、スタグフレーション加速示唆
米供給管理協会（ISM）が発表した8月ISM製造業景況指数は47.2と、年初来の最低となった7月46.8から改善したが、予想を下回った。5カ月連続で活動の拡大と縮小の境目となる50割れとなった。重要項目の新規受注や生産の低下が全体指数を押し下げた。
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エヌビディアが約１０％安、時価総額40兆円余り失う　決算は弱点を明らかにし、ライバルへの市場機会
●半導体大手 $エヌビディア (NVDA.US)$は3日、9.5％下落、過去3週間の最低水準に。これに伴い、時価総額2789億ドルが吹き飛び、3兆ドルの大台から遠ざかった。
●エヌビディアに米司法省が文書提出命令：米司法省が半導体大手エヌビディアに文書提出命令状を送付し、同社に対する反トラスト法（独占禁止法）調査を本格化させたとブルームバーグが報じる。エヌビディア株は文書提出命令の報道後、時間外取引で下落。
●第3四半期の収益予測と株価への影響：第3四半期の収益予測は325億ドルとされるが、過去1年半で最低の増加幅となるため、株価に影響を与えた。
●Blackwell製品の遅延と市場への影響：NvidiaのBlackwell製品のリリースが約8〜12週間遅れ、これが株価に影響を与えた。特に製品の量産が遅れることで収益への影響が懸念された。現在のHopper世代製品が市場でのリーダーシップを今後数四半期も続ける見込み。
●競合企業への市場機会：Blackwellの遅延により、AMDやインテルなどの競合企業に市場シェアを奪う機会が生じた。特にAMDのMI300X製品が注目される。
エヌビディア、独占禁止法調査の激化で司法省から召喚状を受ける

他の主要半導体株のパフォーマンス
$インテル (INTC.US)$は9%、 $アドバンスト・マイクロ・デバイシズ (AMD.US)$は8%、 $台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング (TSM.US)$は6.5%下落した。半導体設備メーカーの $ケーエルエー・コーポレーション (KLAC.US)$や $アプライド・マテリアルズ (AMAT.US)$もそれぞれ9.5%と7%下落した。

スーパーマイクロ社、空売り報告書を「誤解を招く」とし株価反発
●スーパー・マイクロの株価は火曜日の朝に一時3%上昇し、S&P 500の中で最もパフォーマンスが良い銘柄の一つとなった。
● $スーパー・マイクロ・コンピューター (SMCI.US)$は、10-K報告書の提出遅延について顧客とパートナーに説明。年次報告がすでに報告されている最新会計年度の業績と大きく異ならないと表明。
●CEOのチャールズ・リャン氏は、財務チームと内部チームに強い信頼を持っていると述べ、顧客とパートナーに安心感を与えようとしている。
●リャン氏は、先週ヒンデンブルグからの会計に関する批判に対して、誤った情報や誤解を招く情報が含まれていると反論。適切な時期に対応予定と述べた。
●スーパー・マイクロは財務管理の調査委員会を設立。リャン氏は、顧客の体験やサービスの質に変化はないと保証し、成長と拡大を続けると述べた。

トム・リー氏、8週間で株価が最大10%下落を予測—押し目買いの好機
●ファンドストラットのトム・リー氏は、今後8週間で株価が最大10%下落する可能性があると述べた。
●リー氏はCNBCに対し、今年の市場は非常に強いが、9月のFRB利下げや選挙が不安要因となる可能性があると指摘。FRBの利下げや選挙を控えて投資家は慎重になるべきだと語った。
●リー氏は、この下落が押し目買いの絶好の機会になると見ている。
●リー氏は、S&P 500が2030年までに15,000に達する可能性があるとし、長期的な市場の強さに対する楽観的な見解を維持している。

バフェット氏のバークシャー・ハサウェイ、逆風下で株価最高値更新
$バークシャー・ハサウェイ (BRK.A.US)$の株価は市場の逆風にもかかわらず上昇し、A株とB株はともに過去最高値で取引を終えた。年初来の上昇率は30%を超えている。先週、同社の時価総額は初めて1兆ドルを突破し、米国株市場で7番目に時価総額が1兆ドルを超えた上場企業となった。

ボーイングが７％下落　アナリストが目標株価を１１９ドルに引き下げ　ウォール街では最低水準＝米国株個別
$ボーイング (BA.US)$が下落。アナリストが投資判断を「売り」に引き下げ、目標株価も従来の１８５ドルから１１９ドルに引き下げた。連休前終値よりも３１％低くウォール街では最低水準。同社のキャッシュ喪失のリスクを指摘している。１株フリーキャッシュフローが２０２７年でピークに達するとのモデルを示し、開発コストが生産の成長を相殺すると指摘。また、増資によるさらなる希薄化の影響にも言及した。

エネルギー株の下げ目立つ　原油相場が一時７０ドル付近まで急落　リビアの原油生産の再開への期待＝米国株個別
本日はエネルギー株の下げが目立っている。リスク回避のほか、原油相場が一時７０ドル付近まで急落したことがエネルギー株の下げを誘っている。政権が東西に分裂し権力闘争が続くリビアのカビール中銀総裁が問題を解決し原油生産の再開につながる合意が迫っているようだと語ったことが原油安に繋がっている。リビアの西部政府はカビール氏の更迭を決定し、これに反発した東部政府が原油生産を削減していた。