【朝イチ報】米3月小売売上高が予想外に伸び拡大　ドル円は154円台突破、米利下げ観測が後退

市場概況
15日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比248ドル13セント安の3万7735ドル11セントと6日続落。ナスダック総合株価指数は同290.075ポイント安の1万5885.019だった。16日の東京株式市場はリスク回避目的の売りに押される地合いが続き、日経平均株価は下値を探る公算が大きい。

米3月小売売上高、予想外に伸び拡大　ドル円は154円台突破
米商務省が発表する3月の米小売売上高は前月比0.7%増、市場予想の0.4%増を上回り、昨年9月以来の高水準を記録した。前期が0.6%増から0.9%増に上方修正。特に無店舗小売りが大きく伸びた。ガソリン価格の上昇でガソリンスタンドの売上高も大幅増。個人消費の力強さを示し、米連邦準備制度理事会（FRB）の利下げ期待をさらに後退させる内容となった。

米利下げ観測が後退、11月より前の完全織り込み消える－強い指標で
米小売売上高が予想を上回る伸びとなったことで、年内の米利下げ観測がさらに後退した。スワップ市場ではデータの発表後、11月より前の利下げ開始を完全に織り込む動きが消えた。

円が対ドルで約34年ぶり154円台に下落、米長期金利上昇で売り圧力
15日のニューヨーク外国為替市場で円相場は１ドル＝154円台に下落し、1990年６月以来の安値を更新した。ニューヨーク時間朝方に発表された米小売売上高が市場予想を上回ったほか、前月分も上方修正されたことに反応した。
関連記事：円はさらに10％下落も、日銀が大幅利上げに消極的－ティー・ロウ、投機筋の円売り越し、17年ぶり高水準　日米金利差拡大で

ＦＲＢが政策金利を6.5％まで上げる「現実のリスク」ある－ＵＢＳ
米国では力強い成長と根強いインフレが相まって、金融当局が利下げではなく利上げを実施する確率が高まりつつあると、ＵＢＳグループのストラテジストは指摘。借り入れコストは来年に6.5％まで引き上げられる可能性があるとの見方を示した。

ＮＹ連銀製造業景況指数、５カ月連続で縮小圏－仕入れ価格は上昇
４月のニューヨーク連銀製造業景況指数は５カ月連続で縮小圏にとどまった。一方、仕入価格指数はほぼ１年ぶりの水準に上昇した。