ネットフリックスが2025年以降、新規加入者数とARPU(ユーザー1人当たりに発生する平均収入)指標のデータ報告を停止するという事実は、
長期的な加入者数の増加傾向について懸念を抱かせていた。
しかし、同社によれば、これは加入者数の増加から、主要な財務指標である売上高と営業利益率、そして顧客満足度の指標であるユーザーエンゲージメント(プラットフォームでの滞在時間)に重点を移すためだという。
見通しを上方修正も、第3四半期の収益と通期のフリーキャッシュフローの見通しは低迷ネットフリックスは2024年通期の売上高が前年比14%から15%成長すると予想しているが、これは従来予想の13%から15%成長に対し、売上高成長率の
レンジ下限を上方修正したことに相当し、市場は依然として15%程度の売上高成長を見込んでいる。
ウォール街はまた、収益の年間平均成長率の次の3年間は13%のままであることを予測し、ネットフリックスのEPSは今年、去年の12.03ドルから53%増の18.41ドルに、2025年にはさらに21%増の22.29ドルになる可能性がある。
同時に、アナリストはそれが25%のレベルで変化しないことを期待している。同社は、通期の営業利益率は26%になると予想している。 ネットフリックスは、
年間フリーキャッシュフロー(FCF)をアナリスト予想の65.9億ドルより低い約60億ドルに据え置くとしている。
なお、第3四半期のEPSは5.10ドルと市場予想の4.74億ドルを上回る見込みだが、第3四半期の売上高は97.3億ドルとアナリスト予想の98.3億ドルを大幅に下回る。
ウォール街の見方は?多くのアナリストが第2四半期報告を前にネットフリックスの目標株価を引き上げた。
バンク・オブ・アメリカは
目標株価を700ドルから740ドルに引き上げ、「基礎となる事業の継続的なモメンタムを反映する」とし、「世界クラスのブランド、世界有数のユーザーベース、イノベーションにおけるリーダー的地位」に強気で、2025年と2026年に広告収入が「(激しい競争にもかかわらず)大幅に増加する」と予想した。
同様、モルガンスタンレーも
ストリーミング・メディア分野におけるスケールメリットの大きさに強気で、北米など成熟した市場ではネットフリックスのテレビ放映時間はまだ10%未満であること、フリーキャッシュフローの創出と強固なバランスシートという同社の優位性は、支出を大幅に削減している競合他社とは対照的であることなど、まだまだ大きなチャンスがあると述べている。