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【日経平均】歴史的大暴落から急回復までを振り返る(2024/08/05〜2024/08/16)

記憶に新しい2024年8月5日、日経平均株価は終値31,458円、下落幅は驚異の-4,452円という大暴落を記録しました。
そのつい2週間ほど前の2024/07/11は日経史上最高値の42,224円をつけた矢先の出来事です。
日経平均日足チャート 引用:株探
日経平均日足チャート 引用:株探
こんな私も情報発信者のはしくれ、大暴落を解説する動画のコメント欄を見ていると「もう株式市場は終わりだ」「日経平均は2万円を割り込む」などと例によって『いつもの勢力』がさらに不安を煽るコメントを残していました。
その後、日経平均株価は急回復
かと思えば、この記事を執筆している本日(2024/08/16)は終値38,062円、わずか8営業日で6,000円以上も回復しました。
不安定な相場が続く中で今一度、歴代最高値をつけた2024/07/11から今日までの相場や市場の思惑を振り返ろうと思います。
ドル円と共に過熱感のあった日経平均
まずは史上最高値をつけた2024/07/11周辺の日経平均の各指標を確認していきましょう。
下の画像は日次の日経平均株価ならびに加重平均を採用した各指標です。
日次日経平均株価指標 引用:世界の株価と日経平均
日次日経平均株価指標 引用:世界の株価と日経平均
緑で囲った部分が日経平均のPER、そして赤で囲った部分が史上最高値をつけた2024/07/11の各指標です。
相場とそれなりに付き合いが長い方はわかると思いますが、感覚的に日経平均株価のPERは12付近だと安い、15あたりまでくると過熱感があるというのがそれまでの常識のような感じでしたが、特に2024年からはPER15はおろか16~17で推移するのが当たり前の相場になっていました。
以下の画像は日経平均のPER推移です。2023年春頃から急激にPER推移が上昇しているのがわかります。
日経平均株価 PER推移 引用:投資の森
日経平均株価 PER推移 引用:投資の森
とはいえ、個別銘柄ならまだしも、新興国でもない日本の日経平均という指数全体が突然見直されるということはありません。
2023年春、日経平均PERが上昇基調に入り始めたカタリストとなったのが記憶に新しい「東証によるPBR1倍割れ改善要請」です。
そしてそれに付随して、日米の金利差が原因で円安も進行。
さらに拍車をかけるように新NISA制度開始などをきっかけに個人の資金も相場に流入。
つまり、まとめると2023年春~2024年夏までの大相場を形成したのは、
・東証によるPBR1倍割れ是正改革
・円安進行(≒利益増)
・国の投資推進姿勢(新NISAなど)
この3つの材料が短期間に集中したためといえます。
この中で特に大きな材料は円安進行だというのは言うまでもありません。
日米間の金利差
相場に大きな影響を与えた円安が進行したそもそもの原因を探るには遡ることコロナ禍の日米環境から整理していく必要があります。
以下の画像はコロナ禍から現在までの日米政策金利の推移です。
【日経平均】歴史的大暴落から急回復までを振り返る(2024/08/05〜2024/08/16)
2020年3月、米国はコロナによる景気後退を危惧し実質のゼロ金利政策を開始
一方で日本はご存じの通り元々マイナス金利でしたので変更はなし
この時点では日米の金利差はほとんどありません。
事態が大きく変わったのは2022年3月の政策金利、米国のFOMCからです。
コロナによる景気後退は食い止めたものの、一気に景気の熱を上げ過ぎて今度はインフレが懸念されるようになります。
ここから米国は一気に利上げを開始。一方で日本は何もしません
そうなれば必然的に日米間で大きな金利差が生まれるのは言うまでもありません。
円キャリートレードが米国で大ブームに
この金利差を米国の機関投資家が見過ごすはずもありません。
歴史上類を見ない日米間の金利差で、米国では円キャリートレードが大ブームとなります。
「キャリートレード」とはいわゆる金利差収益を得るというもの。
ドルは金利高、日本円は金利安となると日本円を調達してドルに交換し、金利差収益を得るという動きが見られるようになります。
ここまでなら一般的なキャリートレードですが、それだけでは事態は収まりませんでした。
米国の機関投資家を中心に、
①金利の安い日本円を調達
米国ドルに交換(ドル買い円売り)
交換したドルで米国株購入
米国株を担保にまた日本円を調達
調達した日本円で~ 以下無限ループ
こんな取引が大ブームとなります。
これは文字だけでは伝わらないほど恐ろしいことが起こっているのはお分かりいただけますでしょうか。
つまり投資家たちは金利差収益を得ながら米国株の値上がり益も狙う事実上の2階建てトレードを行っていたのです。
いや、買った株を担保にまた資金調達をして株を買い付けるんですから事実上は何階建てのトレードになっていたかは想像すらしたくありません。
やってくる円キャリートレードの崩壊
この実態を知った時、私はどこかリーマンショックのような空気を感じました。
思い出してみると、リーマンショックの時も米国の住宅市場は好調だということを理由に低所得者を中心にサブプライムローンを組んで住宅を購入し、また住宅を担保にローンを組んで住宅を購入する、そんな状況でした。
円のキャリートレードも商品こそ違えどリーマンショックの時とやっていることは同じです。
【米国】・雇用も景気も強くインフレは止まらない。
利下げできない
【日本】・植田日銀総裁は一貫してハト派姿勢
    ・大量に抱えた国債がある
利上げはできない
この強力な事実を背景に円のキャリートレードはますます進行していきました。
が、2024年7月31日に行われた日銀金融政策決定会合で事態は急変します。
日銀が利上げを発表し、さらには会合後の記者会見でタカ派の姿勢を見せたのです。
さらに追い打ちをかけるように発表された米国の雇用統計の結果を受けて米国の景気後退懸念が浮上しました。
上述したように米国で大ブームになっていた2階建て式の円キャリートレードは、米国は利下げできない、日本は利上げできないという半ば決めつけのような根拠を元に活発に取引されていました。
それが一夜にして一気に崩壊したのです。
キャリートレードを行っていた投資家は前触れもなく突如として逆回転したことを受けて一気にドル売り(円買い)、その裏では米国景気後退懸念を受けて米国株も急落しています。
何度も言うように何階建てにもなっているトレードなので、逆回転すると損失が膨らむスピードもとんでもないです(語彙力)。
迎えた日本株Xデー
昨夜の米国株の暴落と急激な円高進行を受けて日経平均株価は寄り付きからとんでもない下げ方をします。
さて今一度、8月5日のXデーの暴落要因をまとめてみましょう。
植田総裁タカ派姿勢(利上げムード)/米国の景気後退懸念/前夜の米国株急落/円キャリートレード巻き戻しによる急激な円高進行/機関投資家の損失補填のための先物売り/先物売りを受けてアルゴなどの自動売買も売りで発動/個人投資家投げ売り
まさに売りが売りを呼ぶ、考えられる下落要因が全て一気に開放された1日だったというわけです。
ちなみに余談ではありますが、この日は特に【銀行株】大きくが売られたんですが、直感的には「利上げなのになぜ銀行株が売られたの?」と疑問に思った方も多いと思います。
これに関してはご紹介している円キャリートレードを思い出してください。
海外勢は日本円を調達していたわけです。まさに日本のメガバンクから。
それを明確なものと裏付けるのは三菱UFJを始めとする大手メガバンクの直近の決算です。
時間がある時に見ていただければと思いますが、業績に大きく寄与したのは海外向け融資です。
つまり円キャリートレードの資金需要で儲かっていた、それが剥落したから銀行株が売られたというわけです。
まさに絶好の買い場
さて、皆様もご存じのように、私はTikTokやYoutubeで配信活動をしていますが、あまり自分の相場感を語ることはなくフラットな立ち位置で配信を心がけています。
ただこの日ばかりは総悲観と反して絶好の買い場ではないかと言及した動画をTikTokで配信しました。
今は絶好の買い場で年末には戻している可能性すらあると個人的な見解を語る。
今は絶好の買い場で年末には戻している可能性すらあると個人的な見解を語る。
もちろん動画内で何度も言及しているように買いを推奨するような話ではありません。あくまで個人的な見解にすぎません。
ただ、先ほどまでかくかくしかじかと日本株下落の原因を述べてきましたが、結果としては日銀がたかが0.15%の利上げをしただけ、米国の景気が後退する「かもしれない」だけ、理由はたったこれだけなのだということに気が付きました。
何もリーマンショックのような金融崩壊があったわけでもなければ、コロナのようなパンデミックが起こったわけでもない、なのに2024/08/05の日経平均は…
日経平均株価 指標 引用:世界の株価と日経平均
日経平均株価 指標 引用:世界の株価と日経平均
PER13.01倍、これは絶対に買いだと直感的に思いました。
早速、8月5日の朝から買い向かう準備を始めます。手口としてはまず8月5日の前場10時頃に1発目の買いをいれました。
画像は8月3日-8月5日の日経平均先物の5分足チャートです。
2024/08/03-08/05 日経平均先物5分足 引用:トレーディングビュー
2024/08/03-08/05 日経平均先物5分足 引用:トレーディングビュー
画像ので囲っているロウソク足と、その時の強烈な出来高を見てここがセリングクライマックスだと思って、思い切って買いを入れましたが、皆様ご存じのように結果的には安値引けだったのでとったポジションが含み損どころかみるみる損失が拡大していきましたね。
ちなみに大きく買ったのは個別銘柄ではなく12月限日経平均先物です。
個別銘柄ではなく先物を選んだ理由としては、日経平均という指数全体にバリュエーションを感じていたため、併せて相場が落ち着けば12月頃までは持ちたかったため、そして個別株の信用取引よりもさらに資金効率が高いので大きく取れると思ったためです。
そしてなにより、全面的に安いと感じたのに個別株にしてしまうと万が一選んだ個別銘柄で悪材料が出たときに最大バリューをとれないと思ったので、いま期待値が最も高いのは指数全体をバスケット買いすることだと感じたためです。
この時はそれなりに大きな含み損を抱えたまま日本株は引けを迎えました。
そしてその夜、米7月ISM非製造業景況指数が発表されました。
結果は「」。つまりマーケットの織り込みほど米国は景気後退していなかったという結果でした。
これを見てすぐに先物を買い増ししました。ナイトセッションとは思えないほど凄まじい値動きで、もうすっかり今朝の含み損も無くなるほどの強烈な上げでした。
全部成行買いです。もうこの辺りはどこで掴んでも値幅が取れると思っていたので押し目なんて待ちません。
ちなみに、その後に発表されたCPIも結果は強く米国の景気後退懸念は落ち着きを示しているのですが、ここで疑問に残るのが「じゃあなぜ雇用統計は結果が悪かったのか」という点です。
これを私なりに調べた結果、先日の雇用統計の集計期間中にどうやら米国で大規模なハリケーンがあったようで、その影響で失業者数が予想値よりも大きく上振れしたのではと勝手に推察しています。
そうして米国の景気後退懸念が緩和され、円キャリートレードを行っていた投機筋の資金も抜けつつ、その後も米株日本株共に急速に回復し、現在日経平均株価は38,000円近辺をつけています。
もちろんこの後どうなるかなんて誰にもわかりませんし、さすがに急ピッチで回復しすぎだと思うので、ここからは押し目を狙ってラスト3発目の買いを入れていきたいと思っています。
皆様はこの怒涛の1~2週間、どういった取引をしましたか?
*─────【この投稿を書いた人】─────*
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