NTT、データセンター事業が株価反転の突破口に?!ドコモに好材料出ればポジティブサプライズ!【決算プレビュー】
● $日本電信電話 (9432.JP)$(NTT)は11月7日に2025年3月期中間(4-9月)連結決算を発表予定。
●第1四半期決算の発表後に株価は反転したが、その後再び下落基調となっており、好材料待ちの状態。
●第1四半期に好調だった $NTTデータグループ (9613.JP)$のデータセンター事業の受注高がどこまで伸びるか注目。
●アナリストの業績予想のコンセンサスは、会社の通期予想をおおむね二等分した数値となっており、サプライズを予想していない。
●アナリスト12人による評価では、強気が25.00%、やや強気が33.33%、中立が41.67%。総合評価は「やや強気」となっている。平均の目標株価は175.75円で、1日終値を19.2%上回っている。
●第1四半期決算の発表後に株価は反転したが、その後再び下落基調となっており、好材料待ちの状態。
●第1四半期に好調だった $NTTデータグループ (9613.JP)$のデータセンター事業の受注高がどこまで伸びるか注目。
●アナリストの業績予想のコンセンサスは、会社の通期予想をおおむね二等分した数値となっており、サプライズを予想していない。
●アナリスト12人による評価では、強気が25.00%、やや強気が33.33%、中立が41.67%。総合評価は「やや強気」となっている。平均の目標株価は175.75円で、1日終値を19.2%上回っている。
第1四半期決算発表で株価は反転も、その後下落
NTTの第1四半期決算は、「令和のブラックマンデー」の2日後に当たる8月7日に発表した。売上高は前年同期を上回ったものの、営業利益は8.2%、純利益は27.0%、それぞれ下回った。売上高も含めてブルームバーグによるアナリストコンセンサスにも届かなかった。
ただ、同時に発表した2000億円、14億株(発行済株式の1.66%)を上限とした自社株買いが好感され、株価は反転。決算発表時の145円程度から9月3日には一時158円台まで値を上げた。
だが、その後は下落基調となり、足元では147円程度まで下げている。
NTTの第1四半期決算は、「令和のブラックマンデー」の2日後に当たる8月7日に発表した。売上高は前年同期を上回ったものの、営業利益は8.2%、純利益は27.0%、それぞれ下回った。売上高も含めてブルームバーグによるアナリストコンセンサスにも届かなかった。
ただ、同時に発表した2000億円、14億株(発行済株式の1.66%)を上限とした自社株買いが好感され、株価は反転。決算発表時の145円程度から9月3日には一時158円台まで値を上げた。
だが、その後は下落基調となり、足元では147円程度まで下げている。
株価の動きには日本一に返り咲いた株主数が影響
株価が低迷している背景には、23年7月に1株を25株に株式分割したことで個人投資家が増えたことも背景にある。
東京証券取引所が8月14日に発表した23年度の株式分布状況調査の詳細版によると、NTTの株主数は前年度比2.5倍の約178万人で14年ぶりに首位となり、31年ぶりに歴代最多記録を更新した(8月14日付日本経済新聞)。NTTのIR資料では、24年6月時点での株主数は226万人まで増えている。
個人投資家が売り買いのひと方向に進むと、一度陥った下降トレンドを脱しにくくなるという側面がある。
逆に、業績や業績見通しに明るい材料が出て反転すれば、株価上昇の勢いもドライブがかかり、好循環が生まれることも想定される。
株価が低迷している背景には、23年7月に1株を25株に株式分割したことで個人投資家が増えたことも背景にある。
東京証券取引所が8月14日に発表した23年度の株式分布状況調査の詳細版によると、NTTの株主数は前年度比2.5倍の約178万人で14年ぶりに首位となり、31年ぶりに歴代最多記録を更新した(8月14日付日本経済新聞)。NTTのIR資料では、24年6月時点での株主数は226万人まで増えている。
個人投資家が売り買いのひと方向に進むと、一度陥った下降トレンドを脱しにくくなるという側面がある。
逆に、業績や業績見通しに明るい材料が出て反転すれば、株価上昇の勢いもドライブがかかり、好循環が生まれることも想定される。
アナリストは中間業績のサプライズを想定せず
ただ、アナリストは中間決算でのサプライズは想定していないようだ。ブルームバーグによる中間の業績予想のアナリストコンセンサスは、売上高が前年同期比3.0%増の6兆5567億円、営業利益が6.8%減の8863億円、純利益が17.6%減の5526億円。営業利益がやや下振れするとみているようっだが、会社の通期予想をおおむね二等分した数値となっている。
ただ、アナリストは中間決算でのサプライズは想定していないようだ。ブルームバーグによる中間の業績予想のアナリストコンセンサスは、売上高が前年同期比3.0%増の6兆5567億円、営業利益が6.8%減の8863億円、純利益が17.6%減の5526億円。営業利益がやや下振れするとみているようっだが、会社の通期予想をおおむね二等分した数値となっている。
構造改革中のドコモとNTT東西は“底打ち”の兆し示せるか
全体の数値にサプライズはなくても、業績の“内容”でポジティブな材料が得られる可能性はある。NTTが24年度に前年度対比で減益を想定する大きな要因は、稼ぎ頭のNTTドコモと、「祖業」の固定電話を抱えるNTT東日本およびNTT西日本(NTT東西)の構造的な問題にある。いずれも24年度は構造改革の最中で、ともに24年度を減益の“底”とみている。中間決算発表に合わせて構造改革の成果の一端が示されれば、株価の反転につながることも想定される。
全体の数値にサプライズはなくても、業績の“内容”でポジティブな材料が得られる可能性はある。NTTが24年度に前年度対比で減益を想定する大きな要因は、稼ぎ頭のNTTドコモと、「祖業」の固定電話を抱えるNTT東日本およびNTT西日本(NTT東西)の構造的な問題にある。いずれも24年度は構造改革の最中で、ともに24年度を減益の“底”とみている。中間決算発表に合わせて構造改革の成果の一端が示されれば、株価の反転につながることも想定される。
ドコモの課題は、携帯電話事業の重要指標であるARPU(1ユーザー当たり平均売上)が、価格競争激化によって低下し続けていることだ。ドコモは24年度を底に、ARPUの反転を目指すとしており、自社サービス強化によるデータ利用量の増加に取り組んでいる。具体的には、映像、書籍、音楽といったエンタメ関連コンテンツの拡充や、ドコモ経済圏の核であるdポイントの利用促進などがある。dポイントの利用促進については、前年度に傘下に収めたマネックス証券やオリックス・クレジットなどの金融サービスと連動させた「ポイ活」を展開するほか、dポイントの還元率を高めたネットショッピングサービス「dポイントマーケット」を10月から開始するなどしている。
NTT東西による地域通信事業(固定通信)の課題は、光回線による高速ニーズへの対応の遅れに伴い、シェア低下が続いていることだ。これまでのコスト削減効果も剥落しており、営業利益も右肩下がりとなっている。NTTは地域通信事業の営業利益について、24年度をボトムに増益基調へ転換させるとしている。
具体的な方策としては、好調な法人向けを伸ばすことや、固定電話の個人ユーザーに対して光回線への転換を促しシェア回復を図ること。さらに、不採算サービスの撤退などを挙げている。
不採算サービスに関してNTTは24年7月、タウンページなどの電話帳や番号案内サービス「104」を26年3月末に、天気予報サービス「177」を25年3月末に、それぞれ終了すると発表。請求書の電子化を含めて、27年度には135億円の利益改善効果を見込んでいる。電報サービスについても島田明社長は8月7日の第1四半期決算会見で、「どこかのタイミングで終了する方向で法的な議論を進めるべきだ」と述べている(8月7日付日本経済新聞)。
具体的な方策としては、好調な法人向けを伸ばすことや、固定電話の個人ユーザーに対して光回線への転換を促しシェア回復を図ること。さらに、不採算サービスの撤退などを挙げている。
不採算サービスに関してNTTは24年7月、タウンページなどの電話帳や番号案内サービス「104」を26年3月末に、天気予報サービス「177」を25年3月末に、それぞれ終了すると発表。請求書の電子化を含めて、27年度には135億円の利益改善効果を見込んでいる。電報サービスについても島田明社長は8月7日の第1四半期決算会見で、「どこかのタイミングで終了する方向で法的な議論を進めるべきだ」と述べている(8月7日付日本経済新聞)。
希望の光はNTTデータのデータセンター事業
構造改革に喘ぐNTTの中で気を吐いているのが、NTTデータグループだ。25年3月期第1四半期(4-6月)決算は純利益こそ前年同期割れしたものの、売上高と営業利益は増収増益となった。通期見通しは純利益を含めて増収増益の予定を変更していない。
NTTデータの第1四半期(4-6月)決算は、受注高が前年同期比で約1.5倍に急増したことが目を引いた。中でも海外ハイパースケーラー向けデータセンター事業の受注高は、前年同期の4倍近い3980億円に上り、全受注高の27%を占めた。
NTTデータの株価は10月に入って下落に転じたものの、第1四半期決算発表後は最大40%程度上昇した。第2四半期もデータセンター事業の受注が好調であれば、NTTグループ全体の停滞ムードを変える突破口になる可能性もある。
構造改革に喘ぐNTTの中で気を吐いているのが、NTTデータグループだ。25年3月期第1四半期(4-6月)決算は純利益こそ前年同期割れしたものの、売上高と営業利益は増収増益となった。通期見通しは純利益を含めて増収増益の予定を変更していない。
NTTデータの第1四半期(4-6月)決算は、受注高が前年同期比で約1.5倍に急増したことが目を引いた。中でも海外ハイパースケーラー向けデータセンター事業の受注高は、前年同期の4倍近い3980億円に上り、全受注高の27%を占めた。
NTTデータの株価は10月に入って下落に転じたものの、第1四半期決算発表後は最大40%程度上昇した。第2四半期もデータセンター事業の受注が好調であれば、NTTグループ全体の停滞ムードを変える突破口になる可能性もある。
ーmoomooニュースMark
出所:NTT、NTTグループ各社HP、日本取引所グループHP、Bloomberg、日本経済新聞、moomoo
出所:NTT、NTTグループ各社HP、日本取引所グループHP、Bloomberg、日本経済新聞、moomoo
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