大統領選の嵐を乗り越え、米インフラ株は成長の波を迎えるのか？

アメリカ大統領選挙まであと数週間となった今、トランプトレードとハリストレードも活気取り戻した。トランプ氏とハリス氏、両大統領候補の主張の違いが、それぞれの業界にどのようなメリットをもたらすかが注目されている。また、両候補のインフラ施設に関する主張には、共通点があると思われる。

ハリス氏はインフラ施設に関する詳細が明らかにしていないが、民主党の政策綱領では「超党派によるインフラ法案」を推進し続けると述べている。トランプ氏も具体的な投資計画を公表していないが、その政策提案にはインフラ建設が含まれており、道路や橋梁、港湾、新興技術に重視することが予想される。

モルガン・スタンレーのスリモン氏はCNBCのインタビューで、米国のインフラセクターが「非常に堅調」であると述べ、その理由として「政府によるインフラ支出の増加」と「台風ヘリーンによる災害復興」を挙げた。

米国のインフラ施設はその潜在的な資金需要に対し、投資の慢性的な供給不足の状態にあった。Oxford Economicsのデータによると、米国のインフ ラ開発に必要な資金需要に対する供給不足(需給ギャップ)は 2016 年から 2040 年までの 35 年間で３兆 9,000 億ドルとなる。このデータは、米国のインフラにまだ大きな成長の余地があることを示す。バイデン大統領は、「世界最高のインフラがなければ、世界最高の経済は不可能だ」と述べた。

トランプ前大統領は、フロリダ州に9日、上陸したハリケーンをめぐって、10日にSNSに動画を投稿した。同氏は「多くのものを失った皆さんへ、あなたは1人ではない。新たな大統領が就任する来年1月20日に、皆さんをこれまでにないほど支える人物がやってくる。われわれはともに再建し、復興し、これまで以上に強く、すばらしい姿で復活する」と述べて大統領選挙の勝利に向けて決意を示した。

一方、アメリカ大統領選挙に向けて、11日に民主党のハリス副大統領は激戦州の西部アリゾナ州で集会を開き、アメリカ南部に被害をもたらした2つのハリケーンの被災地支援に政府として取り組む姿勢を強調した。

注目されるインフラ関連銘柄
Moomooがまとめた図表によると、 $トレイン・テクノロジーズ (TT.US)$はインフラセクターで優れたパフォーマンスを示し、年初来で64%高騰している。次いで、 $ユナイテッド・レンタルズ (URI.US)$ と $イートン (ETN.US)$がそれぞれ年初来で41.7%と39.7%上昇している。大統領選の波乱にも関わらず、米国のインフラ関連株には高い成長が期待されている。