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ジャクソンで知る中央銀行間の政策乖離(先例なき構造変化の中で)

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豊国物産(米金融動向) コラムを発表しました · 2023/08/27 01:28
ジャクソンホールでパウエル議長は、明確に利上げ方向の維持を示唆し、ECBのラガルド総裁はデータ次第としました。最後の利上げで苦悩するFRBとECBの結論は分かれました。
パウエル議長は、冒頭と結論で、「FRBにはやるべき仕事が残っている」とし、現状での利上げの必要性を強調しました。しかし利上げは慎重に行われるとも述べ、9月の利上げを確実視することはできません。パウエル議長は、物価目標は改めてコアPCEと明言し、その3要素(財、家賃、それ以外)を説明しました。コアPCEは昨年ピーク5.4%から4.3%に下落しました。インフレのピークアウトは確認したものの、目標である2%からは遠く、財は下がりましたが、家賃は金利感応で下落の途上としました。その他の主因は賃金であるとし、労働市場の軟調と潜在成長率を下回る景気が、必要としました。インフレ目標2%に固執しており、コアPCE2%が見えるまで利下げは無さそうです。
一方、ラガルドECB総裁は、金融政策についてデータ次第としたものの、利上げ停止の可能性が高そうです。EUはインフレ圧力が弱く、景気回復も不安定であるからです。ラガルド総裁は、「中央銀行間の政策の乖離」をスピーチしたIMFのゲオルギエワ専務理事と同じ見解を示しました。FRBが利上げを継続し、ECBが停止することで、ドル高ユーロ安が進む可能性があります。
中央銀行は、グローバルな構造変化(人手不足、エネルギー危機、米中分断)に応じた金融政策を模索しています。過去の在庫循環による景気サイクルと現在の景気サイクルは異なると考えられます。インフレ抑制がFRBの金融政策の目的なので、コアPCEの2%が見えるまでは、利下げは無さそうです。限られた利上げ機会(後1回で利上げ終了)で景気を落とすには、十分な時間を費やすか、再び利上げ幅の拡大に動くしかありません。既にインフレピークアウトと現時点の政策金利でも需要抑制的とパウエルは認めていることから、前者(利下げまでに長い期間をかける)の可能性が高そうです。
免責事項:このコミュニティは、Moomoo Technologies Inc.が教育目的でのみ提供するものです。 さらに詳しい情報
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    個人投資家、証券会社元現地法人社長 : 豊国物産(ほうこく)は祖父が広島で経営していた豆問屋の名称です。今はもうありません。
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