米現地アフターマーケットが閉めた後、ブルームバーク情報によれば、アーム(ARM)はクアルコム(QCOM)との対立激化で同社向けチップ設計ライセンスをキャンセルする模様。クアルコムは以前に買収した半導体設計メーカーのARM契約への追加料金支払いを拒否したことが遠因にあり、先日、自社独自開発アーキテクチャのオライオン(Oryon)の導入発表がアームを怒らせたのではないかとみられる。
情報によれば、アームはクアルコムに60日間の解約通知を出した模様にあり、このままになると、60日以降にはAndroidスマートフォンの大半に使用されているクアルコムチップに影響。同情報を受けて、クアルコムの米現地夜間取引では5.6%安の163.49ドルで推移しており、アーム(ARM)は同0.7%安(日本時間10時37分現在)。
米半導体株については、大きな影響をもたらすことが考えにくいものの、不透明材料としてネガティブだ。とりわけ、アームの契約中止にともなうインパクトが大きく、アーム依存への見直しにつながる。因みにアップル(AAPL)はQCOMから自社独自チップにシフトしている。一方、同件の恩恵銘柄としては、QCOMのライバルであり、QCOMの最大ライバルは台湾のメディアテック、中国のHiSilicon(ファーウェイ傘下)、韓国のサムスン。現時点では、同件の詳細がまだなく、ライバルらなど関連銘柄の株価はほぼ横ばいで推移。様子見ムード。
個人的にはQCOMは最終的に和解に持っていくと思われるが、巨額の追加料金が発生すると考えられる。一方、アームについては短期に大きなインパクトが考えにくいものの、上記通りメーカー各社はアーム依存への見直しに繋がり、シェアの低下も。