商君書の「国富論」

商鞅が当時いた秦国は、秦国の最も弱い時期でした。当時、秦国よりも強力な国々が枚挙にいたし、後には商鞅の改革により徐々に強くなり、他国を上回り、最終的には戦国時代後期の最も強力な国家へと変貌しました。

一人が裕福でない状況で、富を得ることは容易なことではありませんし、大量の富を得るにはさらに困難です。国家も同じく、弱い時期には、強く成長することが困難であり、強大になった後は、より強大に発展することが比較的容易になります。商鞅が秦に入国した時、秦国はひとつの周辺の諸侯国であり、他国に無視されていたに過ぎませんでした。商鞅は最終的に秦孝公の大きな支持を得て、秦国は全面的かつ徹底的な改革を実施し、活気づいていきました。

商鞅が秦国で改革を実施しなければ、秦国は古い制度を廃止することができず、古い制度がやがて秦国を深淵に引きずり込むことになるでしょう。当時の保守派の指導者である甘龍も秦国の貧弱を鮮明に認識しており、新政を推進しない秦国は依然として保守し続け、いずれ滅びる運命にあります。そのため、甘龍は改革に反対していますが、他の保守派とは異なり、盲目的な反対ではなく、制度に触れない範囲で、最低限の改革を支持しています。

秦孝公と商鞅が協力して包括的かつ徹底的な改革を実施しなかった場合、後の強大な秦国は存在しなかったでしょう。公孫衍は戦闘力の強い秦軍の支援がなければ、魏国を打ち負かすのも困難であり、張儀は秦国の強大な国力の支援がなければ、他国を秦国に従わせるのも困難であり、商鞅の改革によりますます強大となった秦国がなければ、范雎の「遠交近攻」戦略も実行困難であり、長平の戦いでの勝利はどう発生したのでしょうか！秦国が強大でなければ、商人である呂不韋も「奇貨可居」の行動を起こすことはおそらくなく、質子の身分の嬴異人を育てるために多額の財産を投じることもなかったでしょう。