動かない短期金利と下落する長期金利、逆金利は更に拡大する
一昨日米国の利上げを占うカナダの金融政策決定会合は、据置を決定しました。過剰需要の落着きのシグナルと金融政策のラグ、そして基調的インフレの強さを比較しての結論です。コロナ前のカナダ中央銀行は、FRBよりも前に動く事はありませんでした。しかし2022年春以降の利上げ曲面では、FRBに先手を打った動きが目立ちました。1%の大幅利上げをしたり、3月に利上げ停止したり、6月に再利上げしたり先行的な動きをしました。
USMCAで実物経済が繋がっているカナダと米国の経済が連動する事は自明です。今回の利上げ停止でカナダの政策金利が、ターミナルレート(5%)となる可能性が高そうです。需要の強い米国ですら、インフレのピークアウトは明白です。米国も少し遅れて11月1日FOMCではターミナルレートが5.5-5.75%で決定されるでしょう。
パウエル議長にとって、転換点となるFOMCは9月では無く、11月です。2年前はインフレは一時的でないと認め、昨年は、利上げペースの減速を決定しました。今年は最後の利上げを決断することになるでしょう。昨年利上げペースを減速させたのは、英国の債券混乱と日本の円安からの政策変更です。10月にIMFとG7の話し合いで、国際協調が計られたからです。
グローバルインフレの中で、世界で米国だけが利上げ出来る状況てす。対ロシア、対中国の経済戦争の中、仲間であるG7の苦境を米国は見逃せません。利上げの停止は先ず確実でしょう。利上げが止まれば、キャリー(期間内にその債券から得られるインカム・ゲイン)の見込める債券は買えます。
買える債券と買えない債券がまだらとなれば、債券の売却は止まり長期金利上昇は消えます。2QのJPモルガンの預貸利鞘は、261bpもあり、たとえ2回利上げ分(50bp)が消えたとしても十分魅力的な水準です。逆金利が景気後退を招くとする考え方はまちがいです。動かない短期金利と下落する長期金利が今後も予測され、逆金利は更に拡大する可能性は高そうです。
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