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SMCIの競合・デル10%以上急落!AIサーバー堅調もPCが足かせ、2025年はBlackwellの恩恵拡大か

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ビットバレー投資家 コラムを発表しました · 11/27 02:51
$デル・テクノロジーズ (DELL.US)$ が11月26日(現地時間)引け後に8-10月期決算を発表した。その直後の時間外取引で、株価は11.3%急落(11月27日日本時間18時過ぎは12%近く下落)した。AIサーバーは堅調だが、PC部門が足かせとなり、業績が市場予想を下振れし、売り要因となった。
冴えない短期的な業績見通しはしばらく、株価の重石になるかもしれない。一方、デルの決算説明会から示された2025年以降の見通しは良好で、AIサーバー市場における直近の出来事も踏まえると、調整局面は押し目買いのチャンスになるかもしれない。
決算ハイライト
●3Q実績:AIサーバー堅調もPC部門が足かせ
3Q(8-10月期)の売上高は前年同期比10%増の244億ドルとなり、市場予想の246億ドルを下回った。
サーバーを含むインフラ部門の売上高は前年同期比34%増の113.7億ドルで市場予想(113.4億ドル)を上回ったが、パソコン(PC)部門は1%減の121.3億ドルで市場予想(124.2億ドル)を下回った。
3QはAIサーバーを29億ドル出荷し、市場予想の28億ドルを上回った。AIサーバーの受注獲得は過去最高の36億ドルとなり、2Q(5-7月期)より11%増加した。受注残高は2Qの38億ドルから45億ドルに増加(18%増)した。
調整後1株当たり利益は2.15ドルで市場予想の2.06ドルを上回った。
●4Qの売上高ガイダンスが予想下振れ
4Q(11月-1月期)売上高ガイダンスは240億~250億ドルで、市場予想の256億ドルを下回った。
決算説明会で経営陣は、PC市場の回復(買い替え)は2025年にずれ込む見込みだと示した。
3Qの業績内容とAIサーバーの受注なども踏まえると、PCやストレージなどAI以外の分野は軟調さが続く見通しとなった。AIサーバーは堅調だが、2025年初めまでは(※)まだAI以外の分野を相殺するほどでないことが示唆された。
(※ なお、 $エヌビディア (NVDA.US)$ の最新AI半導体Blackwellは2025年に入ってから四半期ベースで出荷が拡大する見込みだ。ただ、2025年初よりそれ以降になる見通しとなっており、デールの控えめな4Qガイダンスにつながった可能性もあるかもしれない。関連記事:【決算まとめ】エヌビディア、Blackwell遅延なし!4Q出荷、来年拡大へ  AIの大波は25年到来かを参照されたい。)
冴えない短期見通しが株価の重石に、中長期的には押し目買いのチャンス?
もっともデルの株価は8月上旬から6割近く上昇(年初来では86%上昇)しており、今回の決算が「事実で売る」の格言に沿った利益確定売りを誘発した可能性がある。他方、冴えない短期的な業績見通しで利益確定売りはしばらく続くかもしれない。一方、デルの決算説明会から示された2025年以降の見通しは良好で、AIサーバー市場における直近の出来事も踏まえると、調整局面は押し目買いのチャンスになるかもしれない。
AIサーバー市場における直近の2つの出来事は、デルにとって重要と考えられる。下記の1)と2)を踏まえる、デルは2025年に入ってからBlackwellの成長サイクルの恩恵が期待できそうだ。
1)エヌビディアの最新AI半導体Blackwellは2025年に大量出荷になる見通しで、Blackwellに対する需要は「クレージー」なほどだ(エヌビディアの決算より)。エヌビディアのAI半導体搭載のサーバーを販売するデールにとって好材料と言えよう。
2)エヌビディアのAIサーバーの販売業者として最大手の $スーパー・マイクロ・コンピューター (SMCI.US)$ が苦境(※)に陥っている。デールはスーパーマイクロに次いで2位となっており、スーパーマイクロの最有力競合である。一部アナリストは、デールの予想を上回るAIサーバーの受注増加は競合の苦境によるものである可能性があると指摘した。
同時に、デルはエヌビディアとAIサーバーにおいてエンタープライズ向け販売で提携を強化している。今回の決算説明会でデルの経営陣は、企業がAIを導入する方法を模索し始めたのはごく初期の段階にすぎないとし、今後の事業機会は大きいとみている。
決算説明会での経営陣の主なコメント
PC部門では、3四半期連続で商業用PCの需要が伸び、引き続き安定している。より多くの企業顧客が、控えめではあるが、より価格競争の激しい環境で更新を始めている。顧客が新しいAI PCにアップグレード サイクルを合わせる兆候が見られている。消費者向け事業は、需要と収益性が引き続き課題であったため、予想よりも弱かった。PCの更新サイクルは来年まで延びている。ただ、インストールベースの老朽化やバッテリー寿命、Windows 10 のサポート終了、およびAI主導のハードウェア機能強化などは今後、大きな追い風となるとみられる。
AIサーバーの勢いが続き、パイプライン(受注残高)は大幅に拡大した。3Qの受注獲得は過去最高の36億ドルで、前四半期比11%増となった。これは主に、エンタープライズ顧客やTier 2クラウドサービス・プロバイダー(※)の継続的な増加によるものだ。3Qには29億ドル相当のAIサーバーを出荷し、AIサーバーの受注残高は45億ドルとなった。当社は引き続き、大規模から小規模までエンタープライズ顧客から支持を得ており、AIサーバーは発売以来2,000社を超えるエンタープライズ顧客を獲得している。
(※Google( $アルファベット クラスA (GOOGL.US)$ 傘下)やAWS( $アマゾン・ドットコム (AMZN.US)$ 傘下)、Azure( $マイクロソフト (MSFT.US)$ 傘下)などハイパースケーラーより規模が小さいクラウドサービス・プロバイダーを通常、Tier2と呼んでいる。)
Hopper(エヌビディアの現行品AI半導体)は生産中で、来年も生産を続けるだろう。Blackwellは生産を拡大しており、来年も続くだろう。どちらのアーキテクチャにも需要がある。我々の受注残高からは引き続き、それが見られる。3Qは注文がBlackwell、つまりGB200へと急速に移行した。具体的な割合は示していないが、かなりの部分を占めている。設計は完了し、Blackwellは生産中で生産は今後も拡大する。つまり、準備は万端だ。
26年度(2026年1月期)についてお話しすると、非常に楽観的だ。2025年は成長を支える複数の追い風が吹くと予想している。強力な受注残高と強力なAIポートフォリオがまず挙げられる。PCと従来のサーバーの両方においてもで機会(買い替えなど)があると考えている。(イメージとしては)サーバーを含むインフラ部門(ISG部門)の成長は主にAIサーバーによって推進され、その後に従来のサーバーとストレージが続くと予想している。
エンタープライズは成長を続けている。これは我々にとって、引き続き大きなチャンスだ。エンタープライズは受注残高の大きな部分を占めており、企業がAIを導入する方法を模索し始めたのはごく初期の段階にすぎない。企業はAIが大きな破壊力を持つことを理解している。AIはイノベーションと生産性の向上をもたらす。企業は実験段階にあり、高度な概念実証を行っている。彼らがそれを通じて移行するにつれて、(我々の)チャンスは計り知れない当社の規模と市場投入の実績を考えると、そこにチャンスがあると思う。
デルのジェフ・クラークCEOは、「AIは当社にとって大きなチャンスであり、減速の兆候はない」と述べた。
業績見通し
四半期ベース売上高(Bloomberg集計)は、26年1月期1Qまで冴えないが、2Q以降は回復する見通しとなっている。経営陣が示した主な成長けん引役であるAIサーバーによる貢献が今後大きくなるとみられる。AIサーバーの売上高が計上されるインフラ部門(ISG部門)の売上高は26.1月期4Qに現在の主力であるPC部門を上回る見通しだ。
SMCIの競合・デル10%以上急落!AIサーバー堅調もPCが足かせ、2025年はBlackwellの恩恵拡大か
デルは11月26日のプレゼンテーション資料で、サーバーとストレージにおいて長期的にシェアを獲得してきた実績(いずれも現在はシェア1位)を強調した。同時にAIハードウェアとサービスのTAM(実現可能な最大の市場規模)は、2023年の790億ドルから2027年は1740億ドルに達する見込みだと示し、中長期的に事業機会は大きいとみている。
アナリストたちによる投資判断と目標株価
Bloomberg集計によると、決算発表後、1人のアナリストが目標株価を引き下げた(155ドルから150ドルに)。他のアナリストたちは、従来の投資判断と目標株価を維持した。11月27日時点の平均目標株価は149.44ドル、最高目標株価は160ドル、最低目標株価は115ドルとなっている。
SMCIの競合・デル10%以上急落!AIサーバー堅調もPCが足かせ、2025年はBlackwellの恩恵拡大か
SMCIの競合・デル10%以上急落!AIサーバー堅調もPCが足かせ、2025年はBlackwellの恩恵拡大か
24年11月27日作成 マーケットアナリスト Julie
出所:会社資料およびBloombergよりmoomoo証券作成
免責事項:このコンテンツは、Moomoo Technologies Incが情報交換及び教育目的でのみ提供するものです。 さらに詳しい情報
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