「米利下げトレード」第1弾！FRBの決断と共に、バイオテック株の反攻開始！？

米FRBは9月に利下げを実施する見通しだ。ウォール街は、利下げが実施された際に最も有利になるセクターを探しているなか、モルガン・スタンレーはバイオテクノロジーに焦点を当てている。差し迫る米利下げ、魅力的なバリュエーション、そして一連の好材料が、バイオテクノロジー株を今後数四半期で高パフォーマンスを実現させようとしているという。

2021年初頭、新型コロナウイルスワクチンや治療法に対する期待から、バイオテクノロジー株は最高値まで高騰したが、パンデミックの収束につれ、バイオテクノロジーの株価も下落した。2023年後半、投資家はFRBが2024年初頭に利下げに踏み切ると見込んで、バイオテクノロジー株は一時的に急騰した。しかし、年初の予想を上回るインフレ率により、FRBが利下げを見送ることになり、その熱狂は冷めた。インフレ率が着実に低下傾向にあり、米FRBによる利下げがいよいよ目前に迫っている今、アナリストはバイオテクノロジー・セクターにとって追い風となると考えている。7月中旬に米国消費者物価指数（CPI）が年率3%まで低下して以来、バイオテクノロジー株は株式市場全体をアウトパフォームしている指摘。

今年の全体的な市場動向を見ると、米超大型ハイテク7社以外にも、複数のバイオ医薬品株が相次いで最高値を更新している。中でも、米医薬品大手 $イーライリリー・アンド・カンパニー (LLY.US)$および $ノボ・ノルディスク (NVO.US)$、手術用ロボットの大手である $インテューイティブ・サージカル (ISRG.US)$、米大手医療機関 $HCAヘルスケア (HCA.US)$、心臓･血管治療に強い $ボストン・サイエンティフィック (BSX.US)$、免疫薬大手である $リジェネロン・ファーマシューティカルズ (REGN.US)$、製薬大手の $アストラゼネカ (AZN.US)$、 $アッヴィ (ABBV.US)$、 $ノバルティス (NVS.US)$、整形外科分野で世界トップクラスの $ストライカー (SYK.US)$などが年内に過去最高値を更新し、18%-64%の上昇幅を記録している。

バイオテクノロジー株は金利が低下している際（特に金利がまだ高水準ながら低下し始めているとき）、市場全体をアウトパフォームする傾向がある。まさに現在がそのような局面である。

米FRBの利下げは、バイオテクノロジー業界の中長期的な投資トレンドに積極的な影響を与えている。 資金調達環境の改善、M&Aや統合活動の活発化、投資家のリスク選好度の向上、研究開発投資の増加、市場流動性の向上、そして市場信頼感の向上は、バイオテクノロジー業界の持続的成長とイノベーションを促進するだろう。 したがって、FRBの利下げを背景に、バイオテクノロジー業界は中長期的な投資対象として注目される分野になると予想される。

統計データによると、2024年のバイオテクノロジー企業のIPO件数と金額は、2023年に比べてすでに大きく回復している。また、モルガン・スタンレーの調査によると、87%の投資家が今年の医療業界のM&A（合併・買収）件数と金額が昨年を大きく上回ると予想しており、これは他のすべての業界を上回っている。その中でも特にバイオテクノロジー企業のM&A件数の増加が顕著であり、これは財務状況の改善が業界の成長に寄与し、全体的な投資環境を好転させていることを示している。バイオテクノロジー業界に対する投資家の前向きな見通しを反映している。

●個別株
臨床カタリスト：モルガン・スタンレーは、重要な臨床試験結果を控えているバイオテクノロジー企業に注目している。金利が低下する中、これらの臨床試験でポジティブな結果が出れば、通常よりも強い市場反応が得られる可能性がある。「臨床カタリスト」と呼ばれるこれらの銘柄はリスクが高いが、それに見合った高いリターンが期待できる。

バリュー特性と成長特性を併せ持つ銘柄：モルガン・スタンレーは、安定して確固たる地位を確立した商品と差し迫ったカタリストを持つ株式を特定した。これにより、確立された事業基盤を通じてセーフティ・ネットを提供し、厳しい時期にリスクを抑えることができる一方、ハイリスク・ハイリターンのプロジェクトを抱えることができる。この戦略は他の戦略よりも防御的であり、市場環境が悪化した場合にはより適した選択肢となる。

バイオ医薬品企業は通常、大きな上昇ポテンシャルを持つ一方で、より大きな失敗リスクも伴いる。一般投資家にとって、個別銘柄を評価するのは難しいため、流動性が高く、長期的に優れたパフォーマンスを示しているバイオテクノロジーETFを選ぶのがより賢明であるかもしれない。

$iシェアーズ バイオテクノロジー ETF (IBB.US)$ ：

IBBはバイオテクノロジー・セクターの株価加重インデックスに連動するETFで、資産規模は70億ドルを超える。 このETFは、大型株の安定性と小型株の高収益をバランスよく兼ね備えており、 $リジェネロン・ファーマシューティカルズ (REGN.US)$、 $アムジェン (AMGN.US)$、 $ギリアド・サイエンシズ (GILD.US)$などの大手バイオテクノロジー企業を保有している。 バイオテクノロジー・セクター全体に投資したい幅広い市場参加者に適している。

$SPDR S&P Biotech ETF (XBI.US)$ ：

XBIは、S&Pバイオテクノロジーセレクトインダストリー指数のパフォーマンスを追跡するETFで、資産規模は80億ドルを超える。 $アムジェン (AMGN.US)$、 $ギリアド・サイエンシズ (GILD.US)$、 $バーテックス・ファーマシューティカルズ (VRTX.US)$などが含まれる。高い業界分散性により、個別株のリスクを低減することができる。

$Direxion デイリー S&P バイオテック株 ブル3倍 ETF (LABU.US)$ ：

S&Pバイオテクノロジー・セレクト・インダストリー指数の日次パフォーマンスの3倍(300％)の投資成果を目指す。リスク許容度の高い投資家に適している。