24年の半導体市場は過去最高へ！超絶の上昇旋風に舞う銘柄は？

2023年を通じて、企業がAIアプリケーションを強化するため、次世代GPUとCPUの需要が急増し、主要な半導体銘柄で構成する米 $PHLX Semiconductor Index(.SOX.US)$は、2023年に60％近くの上昇幅を実現した。AIチップ関連銘柄への投資は、最も魅力的な投資方法の1つとなった。

今年に入り、フィラデルフィア半導体指数は好調が続いて過去最高値を更新し、年初来約6％上昇しているのに対し、 $S&P 500 Index(.SPX.US)$の年初来上昇率は約2％にとどまっている。その背景には、 $タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM.US)$の決算発表や世界半導体市場の回復への期待、アナリストの楽観的な見通しがある。シティグループのアナリストによると、今年はエヌビディアだけでなく、生成AIの台頭でより多くの半導体株が勝者になる可能性があるという。今年に入ってから、上昇率トップ10は以下の通り。

$エヌビディア(NVDA.US)$は連日で最高値を更新し、年初来上昇率のトップとなった。 $マーベル テクノロジー グループ(MRVL.US)$と $アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD.US)$の上昇も目立ち、それぞれ年初来16％、14％上昇。AMDはこれまでエヌビディアがほぼ独占していた、AI向けGPU（画像処理半導体）へ競争力を高めた新製品で10-12月期に参入している。製品ユーザーの大手テクノロジー企業はエヌビディアの競合企業を育てる誘因があるので、AMDは一定の成果を出すと期待されている。

半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造（TSMC）は今年に入ってから約9％急伸。18日の決算発表で、24年はAI向け半導体が好調に推移すると予想し、20％超の増収を確保するとの見通しを示したことが好感された。

主な半導体メーカーで構成する世界半導体市場統計（WSTS）によると、23年の世界半導体市場は落ち込む見込みだが、24年の市場規模は23年比13%増の5883億ドルと2桁成長が見込まれている。これは、22年の世界市場規模を抜き、過去最大になることを意味する。生成AI関連やパワーディスクリートの需要が引き続き伸びることに加え、24年後半からの景気回復期待を織り込んで電子機器全般の需要が拡大すると想定。

一方、日本経済新聞社が24年の半導体需給について、種類や用途ごとに供給過剰から供給不足まで四半期別に5段階で評価してもらった。調査会社やアナリスト、専門商社など10者から回答を得た。半導体の世界需要が2024年4～6月期に好転する。生成AI（人工知能）向けデータセンターや電気自動車（EV）向け半導体などが需要をけん引し、半導体大手は増産に動く。

EVに搭載するパワー半導体も24年後半から需要が増える。独BMWは30年までに全社販売の50%をEVにし、 $トヨタ自動車(7203.JP)$は26年までにEVの世界販売を150万台に伸ばす。半導体商社の菱洋エレクトロは「EVや先進運転支援向けに車載半導体は高水準の受注が続く」と見込む。

UBSは、2024年に最も恩恵を受けるのは、AIのトレーニングと運用が依存するハードウェアチップとGPUになると予想。この分野の企業に、158億ドルから1650億ドルへと10倍にも膨れ上がる収益をもたらすと見込んでいる。エヌビディア、AMD、インテルなどの企業が将来的に大きな成長を遂げることを示唆している。

TSMCの最近の決算報告では、AI半導体の需要増による収益の伸びが、エヌビディアのチップサプライヤーにも波及し始めていることが明らかになった。これらのサプライヤーは、エヌビディアの高成長をサポートするため、受注が増加し、それに伴い収益も増加する可能性があるためだ。公開情報によると、エヌビディアに供給している企業は以下の通り。

フィラデルフィア半導体指数構成銘柄のうち、時価総額が200億ドルを超え、ウォール街のアナリストが「強気買い」と評価した銘柄は以下の通り。