今年1月のJOLTS求人件数は1082万件に対し、1月雇用統計での失業者数は569万人となり、有効求人倍率は1.9倍だった。8月JOLTS求人件数は対失業者数(640万人)の有効求人倍率は1.50倍にとどまり、コロナ禍前の1.2倍を上回ったものの、年初時点の1.9倍から見ると下落傾向が鮮明だ。また、米雇用統計もタイトな米労働市場が緩和しつつあることを示している。米8月雇用統計で就業者数が前月比18.7万人増と市場予想(17.0万人増)を上回ったものの、直近12か月間の平均値である27.1万人を大きく下回った。注目されるのは、6月の数値が18万5,000人増から10万5,000人増へ、7月の数値が18万7,000人増から15万7,000人増へ、それぞれ大きく下方修正されたことだ。6月と7月の就業者数の下方改定を受け、直近3か月間の移動平均は15万人にとどまった。米労働市場の軟化傾向は JOLTSや米雇用統計から読み取れることが明らかだった。