アップル、iPhone販売好転も中国で苦戦続く　見通しさえず時間外で軟調

米 $アップル (AAPL.US)$が31日発表した2024年7〜9月期決算は、売上高が市場予想を上回る6%増となり、同期間の最高値を更新した。第3四半期のEPSは前年同期比34％近く減少し、アイルランドを巡る追徴課税で102億ドルの税費用の影響を除くと、12％のEPS成長となる。

スマートフォン「iPhone」の販売が予想を上回った。大中華圏の売上高は前年同期比0.3％と急減速した。アップルは時間外取引で一時2％超下落した。

アップル経営陣は決算発表の電話会見で、年末商戦が集中する第4四半期の前年同期比売上高成長率が、加速する第3四半期から鈍化する可能性も示唆した。このガイダンスは、成長を加速し続けるというアナリストの予想よりも低いものだった。一部のアナリストは、第4四半期の収益成長率のガイダンスは、市場予想の7％増よりも低く、アナリストが期待していた2桁成長にはほど遠いと指摘した。

第3四半期に加速した売上高の伸びは鈍化の見込み
決算報告によると、アップルの第3四半期の売上高は第2四半期から加速し、成長率はアナリスト予想の5.4％を上回り、9月期の同期としては同社史上最高の売上高を記録した。

一方、利益面では一時的な税金の支払いが大きな打撃となった。9月10日、欧州司法裁判所は、アイルランド政府から税制上の優遇措置を享受しているアップルに対し、130億ユーロの税金をアイルランドに支払わなければならないとの最終判決を下し、2016年に始まった追徴税判決をめぐる争いに終止符が打たれた。

アップルは第3四半期に102億ドルの一時的な税金支払いを計上した。その結果、同四半期のEPSと純利益は共に影響を受けた。上記の税金がなければ、第3四半期のEPSは前年同期比で約12％増加した可能性があったが、税金を考慮した結果、EPSは約34％の大幅な減少に転じ、第3四半期の純利益は約36％減少した。

アップルの最高財務責任者（CFO）ルカ・マエストリ氏は決算説明会で、同社の第1会計四半期（今年第4四半期）の売上高は「1桁台前半から半ば」の伸びを予想していると述べた。

つまり、第4四半期の収益は第3四半期の6.1％から鈍化する可能性があり、またアナリストの予想を下回ることになる。アナリストは第4四半期の売上高を1277億ドル弱と予想しており、これは前年同期比7％増に相当する。

iPhone収入は前年同期比5.5％増 iPadの成長率は予想以下 ウェアラブル収入は予想及ばず
アップルのサービス収入は最高を記録し、第3四半期も2桁の増収を維持したが、12％近い成長率は第2四半期の14％から鈍化し、前年同期比13.2％の伸びの市場予想以上に鈍化した。

世界的な規制当局がアップルにアプリショップ「アップルストア」を開放し、代替の流通・決済方法を提供するよう強制した場合、アップルのサービス収入の低迷は今後さらに深刻化する可能性があるという。

アップルの最も重要な製品であるiPhoneは、第3四半期にサプライズをもたらし、第2四半期の減収からプラス成長に転じただけでなく、5.5％の成長率はアナリスト予想の2.8％を上回った。

アップルが5月に新型iPad AirとiPad Proの出荷を開始したにもかかわらず、第3四半期のiPadの売上は予想を下回った。アナリストは10％近い成長を予想していたが、アップルは8％近い成長を記録した。

Macコンピュータの売上は第3四半期の予想通りであり、アップルが今週発表する新型Macは第4四半期の同製品シリーズの売上を押し上げると予想される。

ウェアラブルは製品の中で最も業績が悪く、売上高は第2四半期の2.3％から加速して第3四半期には前年同期比3％減となったが、アナリストは第3四半期には減収幅が1.6％に縮小すると予想している。アップルは今年初め、3500ドルの超複合現実ヘッドセット「Vison Pro」を発表したものの、まだ市場に出回っていない。

アップルが9月20日にAirPods 4とAirPods Maxを発売したとしても、第4四半期のウェアラブル製品の売上にはあまり貢献しないだろうとの声もある。

中華圏の売上減少が急減速、アナリストは減少に歯止めがかかると予想
地域別売上高では、欧州、日本、中国と日本以外の他のアジア太平洋地域で加速したが、中華圏はほぼ横ばいだった。米州と欧州に次いで３番目に大きな収入源である中国で、他の製品ラインアップが問題となっている可能性を示唆した。

第3四半期の大中華圏の売上高は前年同期比0.3％減にとどまり、第2四半期の6.5％減から顕著に緩和されたが、それでもウォール街にとっては期待外れだった。アナリストらは、今四半期の同地域の売上高は前年同期とほぼ同水準になると予想している。

アップルは中国での競争圧力の高まりに直面しており、最新のiPhoneシリーズであるiPhone 16と、ファーウェイ初の3つ折り型スマートフォンであるMate Xtが同日9月20日に発売され、競争は激化している。

iPhone16は、アップルの先進的な人工知能システム「Apple Intelligence」をフルサポートした新モデルで、販売台数を伸ばすと期待されていたが、iPhone16のオーナーが最初のApple Intelligence機能を使い始めたのは10月に入ってからで、本稼働したのはアメリカだけだった。
出所：Bloomberg、WSJ
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