まだ間に合う！1か月で30％上昇した9月配当の３銘柄は？８月暴落後も高配当株が快走！

日経平均株価が12.4％下落した8月5日の歴史的暴落から一か月が経過した。足元では米国景気の減速懸念や米半導体大手エヌビディア株の大幅下落の影響でハイテク株を中心に全体的に軟調な展開が続く。円高進行も輸出関連株を中心に大きな重しとなっている。一方で、９月末の権利付最終日を前に高配当株はしっかりしている様子がみられる。日経平均高配当株50指数に連動するETF（ $NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信 (1489.JP)$）の年初来パフォーマンスは、春以降日経平均やTOPIXのパフォーマンスを上回っており、暴落後の反発も強い。8月5日から9月5日までに大幅に上昇した9月配当のある高配当銘柄のうち、資金効率も高く、中長期上昇トレンドにある銘柄をピックアップした。

8月暴落後1か月で大幅上昇した高配当銘柄は？
日経平均高配当株50指数構成銘柄のうち
・8月5日から9月5日までの上昇率が25％以上
・９月配当予定
・中長期線（75日・200日）が上向き
・前期ROEが10％以上
だったのは、 $SOMPOホールディングス (8630.JP)$、 $東京海上ホールディングス (8766.JP)$、 $いすゞ自動車 (7202.JP)$の３銘柄。

損保の選好目立つ
上昇率10位内に損保グループが３銘柄もランクインした。損保業界は旧ビッグモーター（ＢＭ）の不正請求問題や企業向け保険料の事前調整問題、顧客の契約情報流出と不祥事が続くが、日銀利上げによる業績改善期待や積極的な株主還元に加え、政策保有株の売却推進による利益貢献が強い買い材料となっている。年初来での株価パフォーマンスが最も良いメガ損保は、MS＆ADだ。東京海上、SOMPOが続く形で、今後売却される予定の政策保有株の量が大きい順に選好されている。今期減益見通しで株価が出遅れていたSOMPOは、PERが7.6倍（9月6日時点）と他社（MS＆ADは11.3倍、東京海上は13.6倍）と比べ割安感が出ており、暴落後に資金が遅れて入ったようだ。政策保有株売却による業績押し上げなどすべて織り込まれた後に好材料が続くか注視される。

メガ損保の一角。介護事業も。24年4～6月は最高益。政策保有株式の削減計画進捗率は１Q時点で76％に達した。国内は主力の自動車保険が修理単価上昇で収支が悪化。25年3月期連結純利益はシステム開発費などが響き、前期比44.7％減の2300億円を見込む。減益の中で11期連続増配を予想。RIZAPグループとの資本業務提携で約300億円出資も。国内アナリストは「追加株主還元の期待値は低くない」とリポート（8月9日）に記している。アナリスト平均目標株価は9月5日終値から19.6％の上昇余地を示唆。予想配当利回り（日経プロファイル資料5日時点）は3.27％。

◆ $東京海上ホールディングス (8766.JP)$
メガ損保首位級。海外大型M＆Aで先行している。24年4～６月期は最高益。自動車保険は料率引き上げなどで収支改善。29年度末までに政策保有株の売却を完了させる計画。連続増配見込み。25年3月期連結純利益は前期比25％増の8700億円と過去最高益更新の見込み。外資アナリストはレポート（8月6日）で「損保グループの中でも海外保険事業からの利益貢献が大きく、成長性・収益性の両面で優位性を発揮」と評価。アナリスト平均目標株価は9月5日終値から18.6％の上昇余地を示唆。予想配当利回りは2.89％。

◆ $いすゞ自動車 (7202.JP)$
トラック大手。タイで生産するピックアップが市況悪化で台数大幅減。資材費の上昇も重荷だ。25年3月期中に最大750億円の自社株買い、消却を実施する。国内アナリストは「27年3月期のROE目標（15％）を踏まえれば来期以降も大規模な自社株買いが見込まれる」と期待する。外資アナリストからは「タイ市場がリーマンショック後並みの水準まで落ち込む中でも輸出採算の確保などを含め高水準の利益を確保している」（8月7日レポート）と収益耐性を評価する声も。アナリスト平均目標株価は9月5日終値から7.2％の上昇余地を示唆。予想配当利回りは4.19％。