「トランプ・トレード」ETF版！資金流入が加速しているETF5選

「トランプ・トレード」が活発化している。週末のトランプ米前大統領の暗殺未遂事件を受け、同氏の返り咲きの可能性が高まったためだ。7月15日の米国株式市場では、トランプ氏当選の恩恵が期待できるエネルギーや金融、資本財が業種別上昇率でTOP3に並んだ。過去1カ月間の場合も3業種は騰落率上位に入っており、関連ETFへの資金流入は加速している。今回は、「トランプ・トレード」ETF版として米国上場のETFを取り上げる。

米国上場のセクターETFへの資金フローは、投資家が「AIブーム」+「トランプ・トレード」を織り込もうとしていることが伺える。

過去1カ月間の資金流入TOP5ETFを確認してみると、金融株ETFの $金融セレクト・セクター SPDR ファンド(XLF.US)$、情報技術ETFの $バンガード・米国情報技術セクターETF(VGT.US)$、エネルギーETFの $エネルギー・セレクト・セクター SPDR ファンド(XLE.US)$、コミュニケーション・サービス株の $コミュニケーション・サービス・セレクト・セクターSPDRファンド(XLC.US)$、半導体株の $ヴァンエック・半導体株ETF(SMH.US)$が並んだ。うちVGTやXLC、SMHの3つのハイテク株ETFはAIブームの恩恵が期待できるのに対し、XLFとXLEの2つのETFはトランプ氏当選の恩恵が期待できるとされるセクターETFとなっている。

年初来や過去1年間、過去3年間の資金フローを併せて確認してみると、ハイテク株ETFはコンスタントに資金流入が続いているのに対し、金融株ETFは過去1カ月間で資金流入が加速し、エネルギー株ETFは過去1カ月間で資金流出から資金流入に転じている。資金流入TOP10に入っている工業株ETFの $資本財セレクト・セクター SPDR ファンド(XLI.US)$は年初来から資金流入が加速。素材株の $素材セレクト・セクター SPDR ファンド(XLB.US)$は年初から資金流入に、公益株の $公益事業セレクト・セクター SPDR ファンド(XLU.US)$は過去1カ月間で資金流入に転じた。トランプ氏が当選された場合、拡張的な財政政策が取られる可能性が高いため、これらの業種に買いが入っている。

6月27日の米大統領選に向けたテレビ討論会以降、および先週末のトランプ氏の暗殺未遂事件を受け、トランプ氏当選の可能性が高まったことを踏まえると、これらのETFへの資金流入は続く可能性もありそうだ。もし、米国株投資がAIブームに偏り過ぎたポートフォリオとなっている場合、これらのトランプ・トレードも取り入れた方がいいかもしれない。

資金流入が加速しているトランプ・トレードETF5選
1） $金融セレクト・セクター SPDR ファンド(XLF.US)$
◆ファイナンシャル・セレクト・セクターの実績と同等水準の投資成果を目指す。同インデックスは、投資管理、商業・企業向け銀行業などの金融サービス関連企業の銘柄で構成される。
◆構成銘柄トップ5（7月15日時点、以下同様）は、 $バークシャー・ハサウェイ クラスB(BRK.B.US)$、 $JPモルガン チェース(JPM.US)$、 $ビザ A(V.US)$、 $マスターカード A(MA.US)$、 $バンク オブ アメリカ(BAC.US)$。

2） $エネルギー・セレクト・セクター SPDR ファンド(XLE.US)$
◆エナジー・セレクト・セクター指数に連動する投資成果を目指す。米国の大型エネルギー株を保有。原油・天然ガスの開発・生産会社、掘削および他のエネルギー関連サービスを提供する企業に投資する。
◆構成銘柄トップ5は、 $エクソン モービル(XOM.US)$、 $シェブロン(CVX.US)$、 $EOG リソーシズ(EOG.US)$、 $シュルンベルジェ(SLB.US)$、 $コノコフィリップス(COP.US)$。

3） $資本財セレクト・セクター SPDR ファンド(XLI.US)$
◆インダストリアル・セレクト・セクター指数に連動する投資成果を目指す。米国の大型工業株を保有。電気・建設機器、廃棄物管理、機械を含む工業製品を中心に投資する。
◆構成銘柄トップ5は $GE エアロスペース(GE.US)$、 $キャタピラー(CAT.US)$、 $ウーバー テクノロジーズ(UBER.US)$、 $ユニオン パシフィック(UNP.US)$、 $ハネウェル インターナショナル(HON.US)$。

4） $素材セレクト・セクター SPDR ファンド(XLB.US)$
◆マテリアルズ・セレクト・セクター指数に連動する投資結果を目指す。以下の業種の企業を含む：化学、建築資材、容器・包装。
◆構成銘柄トップ5は $リンデ(LIN.US)$、 $シャーウィン ウィリアムズ(SHW.US)$、 $フリーポート マクモラン(FCX.US)$、 $エコラブ(ECL.US)$、 $エアープロダクツ アンド ケミカルズ(APD.US)$。

5） $公益事業セレクト・セクター SPDR ファンド(XLU.US)$
◆ユーティリティ・セレクト・セクター指数に連動する投資結果を目指す。通信サービス、電力供給、天然ガス販売の各産業に属する銘柄を含む。
◆構成銘柄トップ5は $ネクステラ エナジー(NEE.US)$、 $サザン(SO.US)$、 $デューク エナジー(DUK.US)$、 $コンステレーション エナジー(CEG.US)$、 $センプラ エナジー(SRE.US)$。