経済指標としてのTSMC：最悪の事態は終わったかもしれません

重要な半導体セクターの主要企業であるTSMCは、第3四半期の結果を発表しました。その業績は、世界経済の状態を知る手がかりを与えてくれます。

しかし、結果はあまり良くありませんでした。TSMCは、前年と比較して収益が11％減少し、利益（NTドルで測定）が25％減少したと報告しました。

報道によると、この状況はTSMCが5年間で最大の利益減少を示し、2四半期連続で利益が減少したとさえ言われています。これは4年間見られなかった傾向です。

見出しの数字だけでなく、さまざまなセグメントをさらに掘り下げて、どの特定の業界が低迷しているかをより詳細に理解することを目指しました。

TSMCの主な収入源は、2つの主要なセグメントに分かれています。23年第3四半期の時点で、サーバーで使用されるGPUチップとハイエンドCPUチップを含めて、ハイパフォーマンスコンピューティング（HPC）が収益の42％を占めました。特に、AMDとNvidiaはこのカテゴリーの主要顧客です。

2番目に重要なセグメントはスマートフォンで、収益の39％を占めています。このセグメントの著名な顧客には、AppleとQualcommが含まれます。

残りのセクター、すなわちIoT、自動車、デジタルコンシューマーエレクトロニクス（DCE）は、比較的小さな収益要因であり、それぞれが全体の10％未満を占めています。

まず、スマートフォンの売上が過去9四半期にわたって継続的に減少していることは注目に値します。カウンターポイント・リサーチの報告によると、2023年の第3四半期には、世界のスマートフォン売上高は前年比8％減少しました。

この需要の減少はTSMCに直接的な影響を及ぼし、スマートフォンセグメントは前年比で19％減少しました。

第二に、今年は主に人工知能（AI）の分野を中心に展開しました。企業がAI技術の進歩を競う中、GPUの需要が急増しました。それでも、TSMCのHPCセグメントは前年比8％減少したため、熱意は衰えているようです。

ただし、HPCセグメントは、2桁の減少を記録した他のセグメントよりもかなり好調だったことに注意することが重要です。AIの需要は、チップ需要の全体的な落ち込みを緩和する上で依然として重要な役割を果たしました。そうでなければ、パフォーマンスはさらに悪化する可能性があります。

要するに、TSMCはすべての事業セグメントで1年前から収益が減少しています！

しかし、数字は回復の可能性も示唆しているので、楽観的な見方をする余地があります。

四半期比（QoQ）データは改善の兆しを見せており、スマートフォンセグメントは33％、HPCセグメントは6％増加しています。

TSMCの2023年第4四半期の収益予想は、188億米ドルから196億米ドルの間です。これは2022年第4四半期の199.3億米ドルを下回っていますが、2％から6％という一桁の減少率にすぎません。これは、第3四半期の前年比11％の収益減少からの改善を示しています。

さらに、QoQの収益成長は続くと予想され、2023年の第3四半期は第2四半期より 10% 高い収益を記録し、2023年の第4四半期はさらに成長し、第3四半期に比べ9％から13％増加すると予測されています。

カウンターポイント・リサーチは、2023年の第3四半期に世界のスマートフォン売上高が前四半期比2％増加したことも指摘しています。

結論として、市場の需要は引き続き弱さの兆しを見せていますが、半導体業界が回復への道を進んでいることは明らかであり、最悪の事態が過ぎ去った可能性があることを示しています。