今夜発表の米CPI、原油高で再加速予想　11月の利上げ観測強まるか

米国労働省統計局は日本時間2023年9月13日(水)の21:30に米8月の消費者物価指数（CPI）を発表する予定。

連邦準備制度理事会（FRB）は、エネルギー価格が急騰した8月にも、広範なインフレ傾向が鈍化した兆候を探るだろう。ブルームバーグのデータによると、8月のCPI(前年同月比)は、7月の3.2%から3.6%に上昇すると見込まれている。これは世界的なエネルギー価格高騰によるものが大きいという。ガソリン価格は7月から8月にかけて季節調整ベースで10%以上も上昇した。エネルギー価格全体も、2022年半ば以来の急激な月次伸びを記録した可能性が高いという。

PMI価格指数によると、8月にも頑固なインフレが続いている。米国のCPIは、S&Pグローバル米国PMI価格指数が示唆した傾向と一致し、今後数カ月も3%前後に張り付くことが予想されている。一方、今回発表される消費者物価指数（CPI）がもし予想を上回る場合、資産の再評価が行われる可能性がある。

●食品インフレ
食料品の価格上昇は大幅に鈍化した。国連食糧農業機関（FAO）が作成するFAO食料品価格指数は8月に再び下落に転じた。砂糖価格は依然として上昇したものの、植物油や穀物、肉、乳製品の価格はより急激に下落し、指数の低下の主な要因となった。

●中古車価格
マンハイム中古車価格指数によると、8月にも主要な市場セグメントは季節調整済みの価格が前年同月比で低下し、7.7%の減少となった。コンパクトカーは前年同月比で最も不振で、13.3%の下落となり、ミッドサイズカーが12.0%、高級車が8.8%の減少と続いた。

また、CarGurusのデータによると、米国の自動車価格は今年第2四半期以降の上昇トレンドに終止符を打った。

●住宅インフレ
サービス部門の中で最も大きな割合を占める住宅・賃貸料金は、空室率のさらなる上昇に伴って月次で下落した。Apartment Listによると、全米の賃貸料は前月比0.1%、前年同月比1.2%の下落となった。

●その他注目すべきデータ
米輸入物価指数は今週金曜日に発表される予定。船積み価格の上昇傾向に影響され、同指数は一旦上昇し、その後下落すると予想されている。

ミシガン大学も金曜日に、9月の1年・5年予想インフレ率を発表する予定。前月、5年物予想インフレ率は3％を維持したが、1年物予想インフレ率は3.5％に上昇した。

●FRBの次の動き
最近のデータでは、労働市場の過熱感は弱まっている。FRBの幹部は9月19日から20日にかけての会合で利率を据え置くことで大筋で合意しているようだ。これにより、利上げの影響を受けている経済の動向をより見極める時間が得られる。しかしながら、より重要な議論となるのは、FRBが11月か12月に追加利上げに踏み切るかどうかということである。

9月の金融政策決定会合終了後に発表される予想では、追加利上げの可能性はまだ高いと見られている。しかし、追加利上げが実施されるかどうかは未知数だ。政策担当者の中には、金融引き締め政策が数ヵ月後に不十分であったことが判明する可能性があるため、引き締め政策の終了を懸念する者もいる。

しかし、あと1回の利上げが不要と判明した場合、利上げを撤回することは、タカ派の同僚が考えた以上に混乱し、コストも高くなるだろうと懸念する当局者もいる。

CMEフェドウォッチによると、9月の利上げ確率は7％、11月の利上げ確率は44.6％と市場は予想している。

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