米国市場の展望：S&P500の25年末見通し、ドイツ銀7000と予想　ダウ平均は121ドル安でスタート

Moomooユーザーの皆様、こんばんは！今晩のＮＹ株の読み筋です。

市場概況
米国市場スタート、優良株で構成するダウ工業株30種平均は121.68ドル安の44614.89ドル、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が54.24ポイント高の19109.08で始まった。米国大型株である500社の銘柄で構成するS＆P500種平均は12.66ポイント高の6000.03。

トップニュース
今晩の展望
●次期大統領ドナルド・トランプ氏が初めて具体的な貿易制限措置を表明。中国からの輸入品に追加10%、メキシコとカナダからの製品に25%の関税を課すと発表。
●欧州とアジアの株式市場は下落。トランプ氏の政策が米国の輸出企業に打撃を与えるとの懸念を反映している。メキシコペソとカナダドルが下落。一方、S&P500先物と米国債市場は横ばい。
●ドイツ銀行のバンキム・チャダ氏は、S&P500が2025年末までに7,000ポイントに達すると予測。ウォール街のストラテジストの中で最も楽観的な見方を示している。
●関係者によると、クアルコムによるインテル買収の関心は薄れており、実現すれば史上最大級のテック業界の取引となる可能性があった案件が暗礁に乗り上げている。
●規制当局は、ウェスタン・アセット・マネジメントの元共同CIOであるスター債券トレーダーのケン・リーチ氏を提訴。同氏が勝ちトレードを収益性の高いアカウントに割り当てる習慣があったとされている。

トランプ関税、ベセント楽観論に影
●トランプ氏が財務長官にスコット・ベセント氏を指名した当初の市場の楽観ムードは、トランプ氏が移民と違法薬物流入の抑制を目的とした関税の重要性を改めて強調したことで急速に冷え込み、特にカナダドルとメキシコペソの大幅な下落を招いた。
●ベセント氏が財政上のリスクを抑えると期待するトレーダーの見方は、トランプ氏が米国の財政政策を最終的に左右する力を持つことを考慮すると、過大評価だった可能性がある。
●Mizuho Securities の Shoki Omori 氏をはじめとするアナリストは、今後数年間にわたり世界資産のボラティリティが高まると警告。Morgan Stanley の Andrew Slimmon 氏は、新政権の「ハネムーン期間」が終わると市場が後退する傾向があると指摘している。

FRBの今後の方針、市場の議論続く中で不透明感増す
●シティグループのストラテジスト間でFRBの次の動きに対する見解が分かれている。金利ストラテジストは据え置きを支持する一方、エコノミストは12月に0.5ポイントの利下げを予測している。
●労働市場の強さが市場関係者の意見の分裂を招いている要因とされる。
●本日公開予定のFRB議事録は、今後の利下げに対する当局者の意向について手掛かりを提供する可能性がある。

トランプ関税の脅威、外国為替市場に波乱　アナリストが潜在リスクを警告
●トランプ次期大統領は中国、カナダ、メキシコに対する関税引き上げを公約しており、アナリストはこれが外国為替市場で大きな変動の始まりを示す可能性があると指摘している。ゴールドマン・サックスのストラテジストは、関税政策が為替レートに与える影響を過小評価するリスクが非常に高いと警告している。
●ドイツ銀行のアナリストはさらに、関税への市場の反応が穏やかであれば、トランプ氏が関税措置の範囲を拡大する可能性があると注意を促している。
●オランダ国際グループ（ING）は、関税引き上げ後、米国の消費者が年間最大2400ドルの損失を被る可能性があり、同時にインフレ圧力が高まると試算している。
●一方で、S&Pグローバル・レーティングは、関税がユーロ圏に与える影響は管理可能であり、ユーロ圏経済成長率はわずか0.2%減少するにとどまると予測している。
●欧州自動車メーカーの株価は貿易戦争への懸念から下落。AJベルのアナリストは、トランプ氏の関税公約が脅威から現実へと進行しつつあると指摘している。
●関連記事：報復関税を伴う貿易戦争、「誰にとっても損」＝ECB副総裁

トランプ氏は「人工知能長官」役職の新設を検討中、マスク氏が連邦の人工知能政策の転換を推進する予定
トランプ次期大統領の政権移行チームは、人工知能長官という新たな役職の創設を検討しており、連邦政策や政府による人工知能の活用を導く予定とアクシオスが火曜日に報じた。イーロン・マスクはこのポジションの候補者ではないが、人工知能政策およびその適用に大きな影響を与えると予想されている。

ヘッジファンド、通貨ボラティリティ上昇で利益狙う
●トランプ時代に入り通貨のボラティリティが再燃。ATグローバル・マーケッツのニック・トゥイデール氏は、過去の市場変動を彷彿とさせると指摘している。
●トレーダーは、このボラティリティの中で利益機会を見出しており、ヘッジファンドはこうした動きから利益を得られるオプションを購入している。
●トランプ氏の移民政策と関税変更への注力、特にメキシコを対象とした政策が、ペソのさらなる下落を招くとの見方が強まっている。

イーライリリーが時間外で5％近く上昇、バイデン政権が肥満薬を医療保険範囲に納入すると提案
バイデン政権が26日、 $イーライリリー・アンド・カンパニー (LLY.US)$ のゼップバウンドや $ノボ・ノルディスク (NVO.US)$ のウィゴビーといった肥満薬を、他の病気（例えば糖尿病）を持っていない肥満者に対しても医療保険で払える方向に進んでいると発表した。この提案により、メディケアに加入している約340万人の高齢者と、貧困者向けメディケイド（医療扶助）プログラムに加入している400万人の成人が、減量治療を受けられるようになる。

インテル、米政府が半導体補助金 工場建設に最大79億ドル
米政府は半導体大手 $インテル (INTC.US)$ に最大78億7000万ドル（約1兆2000億円）の補助金を支給する。4州での半導体工場の建設を支援する狙いだ。

金価格の下落で主要市場の実需が回復か
●アナリストは、今月の金価格の下落が、今年の急激な上昇を静観していた買い手を引き寄せたと指摘している。10月以降、特に11月の大幅下落を受けて市場心理が変化し、実需が大幅に回復したという。鋳造製品への需要が増加しており、その多くは個人投資家によるものだが、一部では機関投資家による実物金の生産需要の増加も見られる。
●スイスの精錬業者アルゴル＝ヘレウスの共同CEOであるロビン・コルヴェンバッハ氏は、一部のアナリストによる金価格が3,000ドルに達する可能性との予測が、市場の一部における「2,700ドルを超える価格ももはや高すぎない」との見解を裏付けていると述べた。
●ムンバイに拠点を置く民間の金輸入銀行の金部門責任者は、金価格が現在の2,620ドル前後を維持すれば、インドの金需要の回復は12月も続く可能性があると述べている。