「もしハリ」?　「ハリス・トレード」浮上　ハリス氏、資金獲得競争と支持率でトランプ氏猛追

民主党のハリス米副大統領が、資金獲得競争で共和党候補トランプ前大統領を追い上げ、支持率の差も縮めている。

28日ハリス米副大統領の選挙陣営は、バイデン大統領選挙戦から撤退しハリス氏を後継候補として支持すると21日に表明して以来、「１週間で２億ドル（308億円）の資金を集め、その中66％は新規の寄付者からだ」とＸに投稿した。一方、7月上旬にトランプ陣営が第二四半期の資金調達額は3億3100万ドルと発表した。

また、WSJの世論調査によると、ハリス副大統領とトランプ前大統領への支持率が実質的に拮抗し、非白人有権者の間でハリス氏への支持が拡大しているほか、民主党員による選挙戦への熱意も劇的に高まっているという。
ハリス氏とトランプ氏、支持率並ぶ＝WSJ調査

シティのアナリスト、スコット・T・クロナートは、「ハリスが当選した場合、政策面ではバイデン政権の路線を引き継ぐ可能性が高い」、「一方、政府支出の増加、法人税の引き上げ、クリーンエネルギー投資の拡大やAI規制の強化など、近年ハリス氏が支持してきた提案も取り入れるだろう」とレポートで述べた。

クリーンエネルギーを支持
ハリス氏はバイデン政権の気候変動対策を支持している。バイデン氏は任期中、インフレ削減法（IRA）に署名、同法案は2030年までにGHG排出量を40％削減できると試算している。

ハリス氏は、次世代自動車や太陽光発電などのクリーンエネルギー開発を支援するため、EPAの温室効果ガス排出削減基金に200億ドルを出資するようと主張した。また、同氏は化石燃料開発やその他の汚染者に対する規制強化も強調した。

大麻にオープン
ハリス氏は、大麻に対する規制を批判し、米麻薬取締局（DEA）に対し、現在の大麻の分類を見直すようなどの大麻政策の変革を求めた。

AIに慎重
ハリス氏は、政府機関がAIを利用する際に、まずはアメリカ国民の権利と安全を脅かさないことを検証することを主張。また、ハリス氏は今年前半ハイテク企業と会談した時、「バイデン大統領は、御社が公衆にAIサービスを提供する前に製品の安全性を確保しなければならないと望んでいる」と強調した。

アナリストは、もしハリス氏が当選すれば、ハイテク企業経営陣のインサイダー保有や売却などに対する規制が厳格になる可能性もあると指摘した。

低・中所得者層への減税を主張
選挙期間中、ハリス氏はトランプ前大統領が2017年に導入した減税策に代わり、10万ドル以下の所得者向けに月500ドルの還付可能な税額控除を提案していた。

仮想通貨業界との関係修復
ハリス氏は民主党と仮想通貨業界との関係修復を目指し、大手仮想通貨企業と接触している。同氏の選挙陣営によれば、仮想通貨業界との関係を再構築することは、資金獲得ことではなく、もっと適切な規制の枠組みへの道を開くことだという。

一方、トランプ氏は、大統領選に当選した暁には、政府が保有または取得するトークンを保持する「戦略的国家ビットコイン備蓄」を創設する意向だと述べた。しかし、仮想通貨投資家たちは、トランプ氏の方針はまだ業界の期待に応えるほど急進的ではないとコメントしていた。
トランプ氏、仮想通貨を「米国第一主義」政策に追加

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