NTT、1Q決算上振れで株価反転のきっかけに?14期連続増配へ前進か【決算プレビュー】
● $日本電信電話(9432.JP$(NTT)は8月7日14時に2025年3月期第1四半期(4-6月)連結決算を発表予定。
●会社は通期の業績を増収減益と見込んでいるが、アナリストの第1四半期のコンセンサスは、会社の通期見通しを4等分した数値よりも利益面で上振れすると予想している。
●減益見通しながら、通期の1株当たり配当額は前年度比0.1円増の5.2円で、14期連続となる増配を予想している。
●アナリスト15人による評価では、40.00%が強気、33.33%がやや強気、26.67%が中立で、総合評価は「やや強気」となっている。平均の目標株価は183.60円で、2日終値を20.1%上回っている。
●会社は通期の業績を増収減益と見込んでいるが、アナリストの第1四半期のコンセンサスは、会社の通期見通しを4等分した数値よりも利益面で上振れすると予想している。
●減益見通しながら、通期の1株当たり配当額は前年度比0.1円増の5.2円で、14期連続となる増配を予想している。
●アナリスト15人による評価では、40.00%が強気、33.33%がやや強気、26.67%が中立で、総合評価は「やや強気」となっている。平均の目標株価は183.60円で、2日終値を20.1%上回っている。
![NTT、1Q決算上振れで株価反転のきっかけに?14期連続増配へ前進か【決算プレビュー】](https://sgsnsimg.moomoo.com/sns_client_feed/181569713/20240802/edd9bcb2296ba669f90f6f4599803ca1.jpg/big?area=105&is_public=true)
前期の24年3月期決算は、売上高、営業利益、純利益のいずれも過去最高を更新した。25年3月期は増収減益の見通しを示しており、売上高が前年度比0.6%増の13兆4600億円、営業利益は5.9%減の1兆8100億円、純利益は14.0%減の1兆1000億円、EPSは13円を見込んでいる。
営業利益の主な減益要因はNTT東日本・西日本による地域通信事業で、23年度と比べた減益見込み額は、NTT全体の減益額を上回るマイナス1477億円に上る。NTTは音声(メタル回線)通信や未使用回線(ドライカッパ―)といった「レガシー系サービス」からの移行などの構造改革を進めており、24年度が地域通信事業の利益面での底になると見込んでいる。
ただし、会社の業績見通しに対して、市場は利益面での上振れを予想している。
ブルームバーグによる第1四半期の業績予想のアナリストコンセンサスは、売上高が3兆1729億8000万円、営業利益が4824億3500万円、純利益が3187億5100万円でEPSが3.20円。会社発表の通期見通しと比較した市場予想の割合は、売上高が23.6%、営業利益が26.7%、純利益が29.0%に相当する。利益面では通期見通しを4等分した数値を上回っており、市場では会社見通しより利益が上振れるとの見方が多い。NTTの決算を見る上で最も重視すべきは、売上の約4割、営業利益の約6割を稼ぎ出している総合ICTセグメントの中核であるNTTドコモだ。
![▲NTTの2024年3月期業績のセグメント別割合(出所:NTT決算資料)](https://sgsnsimg.moomoo.com/sns_client_feed/181569713/20240802/5d087155a823910b1c47ac2f1fbc47fc.jpg/big?area=105&is_public=true)
ドコモは携帯事業のシェア低下が続く一方で、他の携帯キャリアよりも出遅れているポイントを軸とした経済圏の拡大を進め、収益の多様化を図っている。
![▲携帯キャリアによる経済圏と主なサービス](https://sgsnsimg.moomoo.com/sns_client_feed/181569713/20240802/cca67aae92451fef6f32f6a6cc5b00fd.jpg/big?area=105&is_public=true)
特に携帯キャリアによる4つの経済圏の中で唯一、自前の銀行を持たない金融事業に関して、ドコモは矢継ぎ早の買収でテコ入れを図っている。24年1月には486億円を投じてマネックス証券を、3月には792億円で信販会社のオリックス・クレジットを、それぞれ傘下に収めた。今期は2社の売上・利益が全て決算数値に反映されることになる。官報決算サービスによると、オリックス・クレジットの23年度の業績は売上高325億6600万円、営業利益91億2400万円、純利益68億4700万円。マネックス証券の23年度の業績は売上高367億3100万円、経常利益55億8500万円、純利益34億900万円だった。第1四半期から、2社の業績がそのまま上乗せされることになる。
また、4月からはECモール大手のアマゾンと決済やポイントに関する協業を開始しており、相乗効果がどれだけ利益に結びつくのか注目される。
また、4月からはECモール大手のアマゾンと決済やポイントに関する協業を開始しており、相乗効果がどれだけ利益に結びつくのか注目される。
NTTにおける現在の稼ぎ頭はドコモだが、23年度に売上を最も伸ばし、今期の営業利益を最も押し上げる見込みなのが、NTTデータを中心とするグローバル・ソリューション事業だ。同事業は24年度に、23年度対比で営業利益を前年度比8.5%、246億円増加させる予定。中でも、既に世界3位の規模を持つデータセンター事業は、NTTが「成長の原動力」に位置付けている。データセンター事業の24年度の売上高は、23年度の18.69億ドル(2703億円)から17.1%増の21.89億ドルに増える見通し。投資も積極的に行う予定で、24年度の投資額は23年度の27億ドル(3905億円)と同水準を計画している。
通期の業績は減益見通しだが、1株当たりの配当は前年度比0.1円増の5.2円で、14期連続の増配を予想している。通期業績見通しに基づくと、配当性向は23年度の33.8%から40.0%へと上昇する見込み。
NTTは「継続的な増配の実施を基本的な考え方とする」としており、業績に大幅な下振れがない限り、増配予想の見直しは行わないとみられる。
NTTは2023年7月に1株を25株に株式分割した。これに伴い単元株の価格が2万円以下になり、投資家の拡大につながった。NTTによると、24年3月末時点で、株主数は分割前の92万人から186万人へと倍増。20年末には約1割だった40代以下の個人投資家が約4割に増加したという。
個人投資家数の増加は、NTT株の流動性を高める一方で、株価の値動きを激しくする傾向もみられている。株価は3月末に185円を付けた後、6月中旬には144円へと20%以上下落。その後10%以上値を上げて7月初旬には159円まで戻したが、足元では152円台に急落している。こうした激しい値動きの要因には、「売りが売りを呼ぶ」「買いが買いを呼ぶ」現象も含まれているとみられる。今回の決算発表の内容にわずかでもサプライズ要素があった場合、株価が大きく動く可能性もある。
![NTT、1Q決算上振れで株価反転のきっかけに?14期連続増配へ前進か【決算プレビュー】](https://sgsnsimg.moomoo.com/sns_client_feed/181569713/20240802/570fd8738341cfc092fa3eedf952ebe8.jpg/big?area=105&is_public=true)
![▲証券会社によるNTTの直近の主なレーティング](https://sgsnsimg.moomoo.com/sns_client_feed/181569713/20240802/8a70fed76a32c1b53fb3af7579b03044.jpg/big?area=105&is_public=true)
ーmoomooニュースMark
出所:NTTおよびNTTドコモHP、マネックス証券HP、Bloomberg、総務省HP、官報決算サービス、moomoo
出所:NTTおよびNTTドコモHP、マネックス証券HP、Bloomberg、総務省HP、官報決算サービス、moomoo
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