米利下げ、間近か　その恩恵を受けるETFは？

米連邦準備制度理事会（FRB）が31日のFOMC会合で差し迫った利下げサイクルを示唆すると市場が予想しているため、米国債価格はこのところ上昇を続けている。最近の連騰により、米国債の主要指標であるブルームバーグ米国債指数は今月1.3％上昇し、4月末からのリターンを約3.9％に押し上げた、とデータは示している。

FRBの利下げが近づくにつれ、市場は利下げに連動した動きを見せている。一般的に、資金調達需要の高い小型株やバイオテクノロジー企業は金利の影響を受けやすく、利下げの恩恵を受けやすい。 また、利下げの初期段階で米国債が上昇する確度は非常に高く、実質利回りの低下は金にとっても好材料となる。利下げの恩恵を受けるETFは？

●米国中期・長期債券ETF
利下げの初期段階で米国債が上昇する確度は非常に高いという。また、長期債は短期債よりも金利の変化に敏感。これは、長期債が将来にわたって固定された利息を支払うため、金利の変動が長期キャッシュフローにより大きな影響を与えるからだ。長期米国債ETF TLTは金利の変動に敏感し、金利が上昇するとTLTの価格は下落し、金利が下落すると価格は上昇する傾向がある。
関連銘柄
$iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT.US)$、 $バンガード・米国中期国債ETF(VGIT.US)$、 $iシェアーズ 米国国債 7-10年 ETF(IEF.US)$、 $Direxion デイリー 20年超米国債 ブル3倍 ETF(TMF.US)$など

●米国中型・小型株ETF
一般的に、利下げサイクルでは大型株よりも小型株の方が恩恵を受ける可能性が高い。中小企業の資金調達は借入金（間接金融）に多くを依存している。 金利引き下げは借入コストを削減し、銀行ローンや変動金利借入に依存している中小企業にとっては、コストの削減、ひいては利益率の向上を意味する。
関連銘柄
$iシェアーズ ラッセル 2000 ETF(IWM.US)$、 $バンガード・スモールキャップETF(VB.US)$、 $iシェアーズ コア S&P 小型株 ETF(IJR.US)$、 $Proshares Trust Pshs Ultruss2000(UWM.US)$、 $Direxion デイリー 米国小型株 ブル3倍 ETF(TNA.US)$など

●バイオテクETF
バイオテクノロジーでの資金調達やM&Aは、低金利の時期に非常に活発になる傾向があり、外部からの資金調達がない場合でも、日々の業務を維持するために低いコストで借り入れを行うことができる。
関連銘柄
$SPDR S&P Biotech ETF(XBI.US)$、 $ARK Genomic Revolution ETF(ARKG.US)$、 $iシェアーズ バイオテクノロジー ETF(IBB.US)$、 $Direxion デイリー S&P バイオテック株 ブル3倍 ETF(LABU.US)$など

●金（ゴールド）ETF
アナリストによると、利下げサイクルは金（ゴールド）に好材料と指摘した。ドル建ての金価格はおおむね逆相関となっている。ドル指数が上がると金価格は下がり、逆にドル指数が下がると金価格は上がる傾向にある。FRBが利下げサイクルに転換する中で、ドル安基調に転じると予想し、金価格のパフォーマンスが良くなると予想されている。