ナイキ株が2024年上半期に31％急落した理由

S&P Global Market Intelligenceのデータによると、 $ナイキ クラスB (NKE.US)$ の株価は2024年上半期に30.6％急落した。わずか2日間の取引を除けば、株価は6ヵ月間ほぼ横ばいだった。しかし、決算発表は2回行われた。そして株価は2回とも打撃を受け、S&P500の14.5％のリターンを下回った。

ナイキの会計カレンダーは従来のカレンダーとは異なり、2024年度は5月に終了した。3月21日、同社は2024年度第3四半期の決算を発表した。そして6月27日に第4四半期の決算を発表した。株価はすでに年初来で下落していたが、第4四半期の報告後の下落はより顕著だった。

ナイキの2024年度のヘッドライン数字は、単独では憂慮すべきものではない。通期の売上高は小幅増、売上総利益率は改善し、純利益は前年比12％増の57億ドルだった。しかし、投資家たちを不安にさせるものがあった。

TipRanksによると、年初には20人のアナリストがナイキ株の購入を推奨していた。今では13人しかいない。

第4四半期には、ナイキのビジネスに逆風が強く吹き始めた。そして今、経営陣は2025年度が厳しいものになると予想している。通期では、収益が減少し、特定の経費が増加すると予想しており、純利益も減少する可能性がある。

ナイキにとっては興味深い状況だ。近年、消費者が他の小売店で買い物をする代わりに、オンラインで企業から直接購入することが増えたため、靴株は好調だった。しかし、第4四半期のナイキは、直接収入が減少したのに対し、卸売収入は増加した。

しかし、卸売収入の恩恵は一時的なもので、小売業者は単に棚を補充しただけである。来たる2025年度第1四半期には、ナイキにはそのような卸売収入の恩恵はないため、経営陣は前年同期比10％の減収を予想している。

つまり、ナイキの短期的な見通しは良くない。経営陣は、今年後半に新製品を発売し始めれば、売上は回復すると考えているようだ。

経営陣はすでに2025年度を「過渡期」と呼んでおり、より良い日はまだ1年以上先になりそうだ。