日銀は今年、再び利上げを行う？
日銀の植田禾男総裁は先週、時期を特定することは控えたものの、まだ2％を下回っているトレンド・インフレが「もう少し」高まれば、日銀は利上げに踏み切る可能性があると述べた。
「我々の物価見通しが明らかにオーバーシュートするか、あるいは中央値が据え置かれたとしても、物価見通しの上振れリスクが明らかに高まれば、政策変更につながる可能性が高い」と総裁は述べた。
この発言は、4月25-26日に開かれる日銀の次回の政策決定会合で発表される、2026年度までの成長率とインフレ率の見通しの重要性を高めている。
日銀が来月利上げを行うことはないだろうが、新たな予測は、政策立案者がトレンド・インフレ率が2％に上昇する可能性についてどの程度楽観的であるかを示す手がかりとなるだろう。
3月の政策転換後に行われたロイターの世論調査では、半数以上のエコノミストが日銀が今年中に再び利上げに踏み切ると予想しているが、ほとんどのエコノミストは少なくとも第4四半期までは利上げは行わないと見ている。
一部のアナリストは、円安が再び原材料の輸入コストを押し上げる可能性があるため、さらなる利上げの引き金になりうると見ている。
植田総裁は、円安が経済・物価見通しに大きな影響を与える場合、日銀は「対応する用意がある」と述べた。
みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは、「日銀は一方的な円安のリスクを警戒しているようだ。」「日銀が10月から12月にかけて再び利上げに踏み切る可能性はかなり高い。」
また、7月25-26日に開かれる日銀の金融政策決定会合で、賃上げが中小企業にも波及するかどうかについてのデータが出揃えば、日銀が利上げに踏み切る可能性があるとの見方もある。
「インフレ率がオーバーシュートする可能性があれば、日銀は早ければ7月にも行動を起こすだろう」と、ベテラン日銀ウォッチャーで大和証券のチーフマーケットエコノミストである岩下真理氏は語った。
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