週末7日のパレスチナ危機の勃発を機に、 FRBの金融政策を巡る不確実性に一応の終止符が打たれる可能性が高い。2022年3月から始まった米利上げサイクルと共に、FRBの金融政策には1.更なる利上げ(25bp )の有無、2.最後の利上げ宣言の有無、3.次の利下げ時期の3つの不確実性が常に随伴してきたなか、パウエル氏は、金融政策の全てが「データ次第」として何れにも明確には答えないスタンスで臨んできた。8月に開かれたジャクソンホール会議でもパウエル氏は曖昧な立場を貫き通した。適正な金利水準の不確実性、金融政策効果のタイムラグの不確実性、インフレ圧力となり得る米労働市場の不確実性など3つのポイントが取り上げられ、パウエル氏は金融政策の決定に当たっての3つの不確実性を指摘した。米経済の軟着陸に向けて、パウエル氏はさまざまな不確実性への言及を通して、市場との対話に苦心する姿が窺われたものの、パレスチナ紛争の再燃を機に、『中東の地政学的リスク』の高まりを目の当たりにして、FRBの金融政策を巡る不確実性がもはや鶏肋に等しくなり、パウエル氏は最終利上げ宣言に追い込まれることになりそうだ。