米国株がなかなか下げ止まらない。S＆P500指数は3月10日に2.7％下落し、200日移動平均を下回った。200日移動平均は長期的なトレンドを示すものとして、機関投資家からの注目度が高い。この水準を下回った際、短期的には自律反発狙いの買いが入るかもしれないが、長期トレンドの崩れを示唆するのかとの疑問が生じやすい。何しろ足元では、トランプ氏の関税政策により米リセッション懸念が強まっている。
関税をめぐる不透明感が続く一方で、トランプ公約の減税はまだまだ先となれば、一段安への警戒は強まるかもしれない。トランプ関税で米国株が暴落した2018年相場と足元の状況を比較したうえ、投資のヒントを探る。2018年の経験や分散投資の観点から”不況に強い”米国株ETFや外国株（除く米国）ETF、および株式以外のETFをご紹介する。
トランプ関税への懸念で米国株が大幅調整
S＆P500指数( $S&P500 (.SPX.US)$ )は2月19日高値を付けた後、下落トレンドが続き、3月10日は終値で200日移動平均を下回...

米半導体大手 $エヌビディア (NVDA.US)$の株価が1月に付けた上場来高値から30％近く下落している。2月末発表の４Q決算は好決算だったが、AIハードウエア投資への疑念やトランプ大統領の政策によるセンチメントの悪化の中でかき消された。ハイテク売りの標的となっている模様で、当面の下値水準も割った。さらなる安値を試す動きとなるのか懸念される。
下値はどこに
エヌビディアの株価は6日、直近の主な安値をもとに下値想定されていた113ドルを終値で下抜いた。この水準でしばらく底練りすれば反発も期待できそうだが、相場の不透明感は強く、もう一段、二段の下落も視野に入れる必要があるかもしれない。さらに下落した場合、サポートライン（支持線）は昨年9月6日安値の100ドル、8月5日安値の90ドル、4月19日安値の75ドルあたりとなりそうだ。反発上昇する際には、これらのサポートラインがレジスタンスライン（抵抗線）となった上値を抑えやすくなる。
【One point lesson】
サポートライン（支持線）とは
▼上昇中の株...

米製薬大手 $イーライリリー・アンド・カンパニー (LLY.US)$の株価が底打ち反転を示すチャートパターン「ダブルボトム」を形成後、上値を追っている。肥満症薬や糖尿病薬の売り上げを伸ばす同社は、米国内に270億ドル（約4兆円）を投じて生産拠点を増設する計画を2月末に明らかにした。トランプ大統領は医薬品も関税対象にするとした上で、製薬会社に生産を国内回帰させるよう警告しており、イーライリリーの政権の意向に沿った歩みも市場に好感されているようだ。足元で株価は上値を抑える可能性が高いレジスタンスライン（抵抗線）に近づいており、上昇が継続するか注目される。
【One point lesson】
ダブルボトムとは
▼株価の底打ちを示すチャートパターンの一つ。
▼数カ月から1年近くかけて同程度の深さとなる谷が二つ形成される相場を指す。
▼谷の深さは同程度が望ましいが誤差範囲の基準はない。間にある山は谷に比べて明確に高い必要はある。
▼山から水平に伸ばした線を「ネックライン」という。
▼2つ目の谷を形成したあとに終値...

3月決算の銘柄の期末配当は、3月28日に権利落ちとなる銘柄が多く、まだ「配当目当て」の投資に間に合うタイミングだ。折からの市況の悪化による株価の低迷は、結果的に会社側が示した予想配当利回りの上昇にもつながっている。「キャピタルゲイン」が不透明な中での、配当による「インカムゲイン」は心強い存在といえる。
そこで、3月に権利が確定する銘柄の期末配当に絞って、会社側の予想配当利回りが5％以上（東証プライム上場企業は4％以上）の20銘柄をピックアップする。
予想配当利回りの高さも重要だが、同様に重要なのが高配当の理由だ。一時的な高配当なのか、好業績や会社側の株主還元スタンスに基づき持続性がありそうなのかは、投資戦略を決めるうえで重要なポイントになる。銘柄リストには、好配当の理由も加えている。
<3月の好配当銘柄20選＞
東証プライム市場上場銘柄で、会社予想の3月の期末配当利回りが4％を超えているのは、 $ドリームインキュベータ (4310.JP)$、 $アイティメディア (2148.JP)$、 $バロックジャパンリミテッド (3548.JP)$、...

3月3日、S&P500指数は今年最大の下げとなり、AI相場のけん引役である $エヌビディア (NVDA.US)$ は9％反落した。米景況感の悪化やトランプ関税の発動により、米経済見通しに対する懸念が強まり、リスク回避につながった。
一足も二足も先にリスクを警戒し、S&P500指数に連動するETFを全部売却した投資家がいる。投資の神様、ウォーレン・バフェット氏だ。バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイは過去2年間でおよそ1580億ドル相当の株式を売却し、2024年10-12月はS&P500指数に連動するETFを全部売却した。2024年12月末時点の手元現金は3342億ドル（約50兆円）に達し、過去最高水準となった。2025年これまで（3月3日まで）のパフォーマンスを確認してみると、S&P500指数が0.5％下落したのに対し、 $バークシャー・ハサウェイ クラスB (BRK.B.US)$ は12.5％上昇しており、賢者は今度も先見の明を発揮したようだ。
バフェット氏は3月2日に、関税について、「ある種...

米主要株価指数が大幅安となった3日、AIソリューション開発を手掛ける $ゴリラ・テクノロジー・グループ (GRRR.US)$の株価が逆行高し、52週高を更新。6.44％高の32.23ドルで引けた。タイでのAIインフラ整備プロジェクトで18億ドルの契約を獲得したと発表したことが好感された。 $ゴリラ・テクノロジー・グループ (GRRR.US)$ はmoomooアプリ上での取引高で $パランティア・テクノロジーズ (PLTR.US)$と１、2を争う人気銘柄となっている。
チャート上でトレンド転換を示すパラボリック指標（SAR）は、同日上昇サインに転換したが、短期的には直前に開いた「窓」（急激な株価変動でできるローソク足間のギャップ）を埋めるための調整が入る可能性も考えられる。ボラティリティ（変動性）が高い銘柄であるが、下落の際にサポートラインでしっかりとした反発が確認されればリバウンドを狙う戦略も有効となりそうだ。
上昇の勢い復活？
直近はやや深めの調整もあったが、勢いを取り戻し、3日には値動きの強弱...

米半導体大手 $エヌビディア (NVDA.US)$の株価は、同社が第4四半期決算を発表した翌日2月27日に急落し、8.5％もの大幅安となった。3月3日には8.7％安を付けるなどなど売り圧力がすさまじく、株価は1月に付けた上場来高値から大幅に下落している。さらに下落した際の下値目途などをテクニカル面から確認した。
＊ファンダメンタル記事はこちら→【エヌビディア決算まとめ】 ”次の波がきている”！Blackwell堅調 DeepSeekは心配無用？
【サマリー】
▼長期上昇トレンドと短期下落トレンドとの攻防が焦点に。
▼下落圧力は強い。当面の下値目途113ドルまで下落した場合、リバウンドを狙えるか注目。
▼113ドルを下回ると下落速度が速まる可能性があるため要注意。
▼リバウンドし、上値抵抗線付近まで上昇した際には戻り売りに注意。　
上昇トレンドが失速
エヌビディアの週足チャートでは2024年の年初以降、下図青線に挟まれた「チャネルライン（水路、溝）」に沿って上昇トレンドを形成している。しかし直近では同時に...

１月28日に埼玉県八潮市で道路陥没事故が発生して、1か月が経過した。耐用年数を超えた下水道管からの漏水により、地中の土砂が流出したことが原因とみられている。同様の事故は全国で相次いでおり、石破首相が関係閣僚に対応を指示するなど、政府や自治体による対応が急がれている。
そこで注目されているのが、ドローンや人工衛星など、効率的に水道管の老朽化診断を行う先端技術だ。関連銘柄の中には、この1か月で株価が2倍に急騰したものもある。今後ニーズが高まることが期待される「水道管の老朽化診断テック」15銘柄をピックアップする。
水道管の老朽化問題は日本の課題が凝縮された“不都合な真実”
一般的に、水道管の耐用年数は40年とされている。国土交通省の資料によると、40年超の水道管は増加の一途を辿っており、21年度時点で総延長が16.4万kmに達している。これは全ての水道管の22.1％に当たり、この比率は06年度の6.0％から年々高まっている。これに対し、更新される水道管の割合は年々低下しており、21年度はわずか総延長の0....

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● $エヌビディア (NVDA.US)$、第4四半期の決算（2025年度）を2月26日の引け後に発表予定（日本時間2月27日の朝）。
●moomooがまとめた市場コンセンサスによると、エヌビディア 2025Q4業績予想は、売上高が前年同期比72.52%増の381.32億ドル。EPSは前年同期比61.83%増の0.80ドルと予想されている（US-GAAP）。
●アナリストの見方は非常に強気であり、96.88%のアナリストが「強気」と評価しており、目標株価は180.42ドルで、28.7%の上昇余地が示唆されている。
●DeepSeekの低コストAIが懸念されるが、テック企業の巨額投資とアナリストの強気予想で株価は反発。
●決算ではガイダンスやBlackwell生産が注目され、成長とリスクのバランスが鍵となる。
世界最大半導体企業である $エヌビディア (NVDA.US)$ 、第4四半期の決算（2025年度）を2月26日の引け後に発表予定（日本時間2月27日の朝）。サンタクララに本社を構え...

米国株式市場の行方を左右しかねない重要なイベントが来週に控えている。AI半導体最大手のエヌビディアの決算発表（2月26日、日本時間27日朝の予定）だ。
半導体株では、エヌビディアやブロードコムを除いておよそ9割の企業が決算発表を終えている。これらの企業にはエヌビディアのサプライヤーや競合も含まれている。エヌビディアの決算発表を間近に控え、エヌビディアの筆頭サプライヤーと競合の決算内容を今一度確認したうえ、バリュエーションや目標株価などをチェックする。同時に、主要半導体株のうち、DeepSeekショックが走った1月27日以降、目標株価が上方修正された銘柄もリストアップした。これらには代表的なAI半導体株もあれば、やや”地味な”半導体株も含まれている。
（エヌビディアの決算プレビューについては、【エヌビディア決算予想】DeepSeekショックの窓を埋めた後、買う？をご確認されたい。）
米半導体株決算：EPS実績は9割が上振れ
フィラデルフィア半導体株指数（SOX指数）構成銘柄30銘柄のうち、26社...