智通財経アプリが報じたところによれば、アメリカの家計負債問題はますます深刻化しており、17.7兆ドルに達し、前期比1.1%(1840億ドル増)増加して過去最高を更新しています。このデータは、インフレが急激に悪化する中で、アメリカの家計が直面している財務的圧力が増大していることを示しています。
ニューヨーク連邦準備銀行が火曜日(5月14日)に発行した「家庭債務とクレジット クオーターリー・レポート」によると、新型コロナウイルスの流行以降、アメリカの消費者債務は累計で34兆ドル増加し、その利率も上昇しています。特に食品や家賃などの必需品が値上がりして、多くの家庭がクレジットカードで日常の支出を支払うことを余儀なくされ、財務上の負担がさらに増大していることを示しています。ニューヨーク連邦準備銀行の家庭および公共政策研究部門の責任者であるジョエル・スカリ氏(Joelle Scally)は、第1四半期にすべての年齢層のクレジットカードや自動車ローンの滞納率が上昇していることから、一部の家庭の財務状況がさらに悪化していることが示されていると指摘しています。
同レポートは、第1四半期の総債務が1.12兆ドルに達し、前期比わずかに減少したことから、休暇債務の季節的変動を示しています。しかし、2020年第1四半期と比較すると債務残高は約25%増加しています。
Bankrateのシニアアナリスト、テッド・ロスマン氏は、インフレーションと利率の持続的な上昇に伴い、クレジットカード残高が2024年後半に新記録を達成する可能性があると予想しています。アメリカ連邦準備制度の研究者たちは、クレジットカードの高い使用率は将来の滞納行為の重要な警告信号であると指摘しています。
2024年3月には、約3.2%の債務が滞納段階にあると予測されており、第4四半期と比較すると低い水準ではありますが、滞納率はすべての債務種別の中で上昇しています。セントルイス連邦準備銀行の研究によると、政府の支援策により、クレジットカードの滞納率は徐々により一般的な水準に回復しつつあるとのことです。
また、高い利用率のクレジットカード口座では、滞納がより早く発生する傾向があります。連邦準備銀行の研究によると、若年層および低所得層の借り手は財務的な圧力により、特にミレニアル世代では前期と比較して滞納率が上昇しています。
自動車ローンの滞納率も上昇しており、2023年の平均月払い額は738ドルに増加しています。現在、約2.8%の自動車ローンが90日以上滞納しており、300万台以上の自動車が関連しています。これにより、自動車ローンは住宅ローンに次ぐ第2の最大の債務タイプとなっています。
住宅債務は依然として家庭債務の主要な部分であり、総債務の70%以上を占めています。この部分の債務は比較的良好な状態にあるものの、より多くの家主が自宅の純資産を利用した借入を行っています。最近の四半期では、新規の家庭純資産ローンは、2008年以来の最大の増加を記録しています。
学生ローンの総額は1.6兆ドルに達していますが、具体的な滞納数は信用情報機関に報告されるのは通常第4四半期までかかるため、確定しにくいとされています。