■京葉瓦斯<9539>の中期経営計画
5. 中期経営計画の進捗
「長期経営ビジョン2030」及び「中期経営計画2022-2024」が策定されてから2年が経過したが、異常気象の常態化に加え、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の長引く影響、ウクライナ情勢など原燃料高、資材高、円安など計画策定時と大きく異なる状況となっている。このため「中期経営計画2022-2024」で目標とした累計経常利益が当初計画の180億円を下回る見通しとなるなど業績面では厳しい状況が続いているが、「中期経営計画2022-2024」の重点戦略はおおむね達成できる見通しとなった。ただし、「中期経営計画2022-2024」策定時と比べて、カーボンニュートラルへの関心が一層高まる一方、DX推進では人手不足の影響が協力会社に若干及んでいる模様である。また、2024年1月の能登半島地震の状況からレジリエンスの強化継続が大きくクローズアップされることとなった。このように新たな課題は浮かぶものの、地域エネルギー領域は順調と言えよう。一方、早期にエネルギー事業の一本足打法から多角化にシフトしたいところだが、エリアマネジメント領域はリーフシティ市川により新たな展開が見込めるが、トータルライフサポート領域は大きく育つところには至っていないようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)