６月１８日の夜、中鉄高新は、新規株式発行及び現金支払いにより、中金公司保有の五礦業と沃溪鉱業が保有する柿竹园株式（「標的会社」）の100％の株式を購入することを発表しました。取引価格は約519.5億元です。取引完了後、中鉄高新は柿竹园社の100％の株式を保有しています。
今回の買収目的について、中鉄高新は、この取引により国有資産証券化率を向上させ、上場企業の実質的な支配株主が保有する上場企業の株式比率を更に引き上げることができ、また、タングステン産業のリソースを統合することにより、自己の収益能力を向上させることができると述べています。
中鉄高新は、主に硬質合金やタングステン、モリブデン、タンタル、ニオブなどの非鉄金属および深加工製品や装備品の研究、開発、生産、販売、および貿易事業に従事しています。標的会社柿竹园社の主要な事業は、タングステン、モリブデン、ビスマス多金属鉱の採掘とフローセット複合回収、タングステン濃縮と冶金加工、ビスマス系新素材の開発です。
公告によると、今回の買収事項において、中鉄高新は、発行された株式で47.95億元、現金で4億元の金額を支払うことになっています。
株式構成からみると、買収前、五礦業と沃溪鉱業はそれぞれ標的会社の株式を97.36％、2.64％保有しています。
「資産購入契約書」に基づき、中鉄高新は、株式発行によって、五礦業と沃溪鉱業のそれぞれに対して46.57億元、1.37億元の取引価格を支払い、対応する株数はそれぞれ6.73億株、1984.47万株であり、また、現金支払いにより、五礦業に4億元の金額を支払うことになっています。
株式発行による支払いが含まれることから、買収完了後、五礦業は中鉄高新の32.30％の株式を、沃溪鉱業は中鉄高新の0.95％の株式を保有することになります。さらに、筆頭株主の五礦股份の保有比率も49.89％から33.36％に希釈されます。
注目すべきは、今回の買収事項完了後、五礦股份は同社の支配権をさらに高め、保有比率が49.89％から65.55％に上昇することです。。株式と支配関係からみると、中鉄高新と五礦業はともに中国五礦集団が支配する子会社です。また、両社は「一致行動協定」に署名しており、五礦業とその一致行動者の五礦股份は上場企業の65.55％の株式を合計保有しています。
また、今回の買収事項完了後、中鉄高新の収益能力は大幅に改善する可能性があります。資産評価報告書の業績予測によると、柿竹园鉱区の採掘権に関して、2024年から2027年にかけて、それぞれ3.41億元、2.64億元、1.34億元、1.81億元の純利益が得られると予測されています。
２０２３年、中鉄高新は１２７．４０億元の売上高を実現し、前年比２．６３％減少し、純利益は５．８７億元で、前年比１１．２０％減少しました。
中金公司のリサーチレポートによると、中鉄高新のリソース統合は開始され、タングステン価格の上昇に加えて、同社の一元化能力と利益水準が大幅に向上する可能性があります。柿竹园鉱区が注入された後、同社はタングステン価格の上昇利益を享受することができ、利益水準は新しい段階に達する可能性があります。６月１８日時点で、タングステン濃縮鉱の価格は１４.９万元/トンで、全年累計で２２％上昇しています。