現在アメリカは住宅建設シーズンに入っていますが、木材を買いたがる人はいません。木材価格は下落し続けています。この現象は、アメリカの不動産市場におけるリード指標である木材価格を警告しています。

先週金曜日（6月28日）、アメリカの木材先物価格は再び3%下落し、1,000フィート当たり452.5ドルに達し、今年3月下旬以来27%減少しました。

また、Random Lengthsによると、先週、アメリカの現物木材価格の総合指数は、2021年5月に歴史的高値を記録した1,000フィート当たり1,514ドルから、75%暴落して1,000フィート当たり366ドルになり、感染拡大前の水準に戻っています。フェンスの製造に使用される南松の価格は、感染拡大以来の最低値である335ドルに下落しました。

感染拡大期間中、アメリカの木材価格は急騰し、住宅価格とともに倍増しましたが、2022年半ば以降、木材価格は急速に下落する傾向にあります。現在、この下落傾向は続いています。

ウォールストリート・ジャーナルによると、木材価格は不動産市場における信頼できるリード指標です。旺季に木材価格が大幅に下落すると、アメリカの住宅市場や家具市場は、高い借入コストの影響を受けていることを表しています。業界専門家は、住宅負担能力の大幅な低下や住宅装修需要の減少を原因として、木材需要の低下を指摘しています。消費者は、新築住宅や中古住宅のリフォームを行うための費用が実際に高すぎるため、購入を控える傾向があります。

アメリカの住宅負担能力は、金融危機以来最低水準に低下し、新築住宅の需要は低迷しています。

高騰する住宅価格と高い住宅ローン利率のため、アメリカの住宅負担能力は過去数年間で史上最低水準を記録しました。

アトランタ連邦準備銀行の住宅所有負担能力モニター指数によると、現在、アメリカの住宅所有負担能力は、2008年のグローバル金融危機以来の最低水準にあります。

「現在、住宅価格が高く、住宅負担能力が非常に低いです」と、木材産業のエコノミストであるダスティン・ジャルバートは述べています。「これは数十年間、住宅を購入するのが最も困難な時期の1つです。適格な買い手の数も減っています。このため、高い利率は実際に影響を与え始めています。」

同時に、アメリカの新築住宅市場の需要低迷も、木材価格の下落要因の1つです。今年の5月には、アメリカの建設業者の信頼指数が5か月ぶりの最低水準に達し、新築住宅の建設工事が前年同期比19%減少しました。そのうち、多世帯住宅の建設工事は52%減少し、主要な減少要因となりました。従来は、1戸建て住宅の建設工事は比較的安定していましたが、現在は逆転して5月に1戸建て住宅の建設工事は前年同期比2%減少しました。

さらに、今年のアメリカの新築住宅建設許可は持続的に減少し、5月には前年同期比6%減少し、2020年6月以来の最低水準に達しました。

多くの木材工場が赤字または閉鎖しています。

数年前、アメリカの製材業者は経営を軌道に乗せていました。感染症のため、木材価格が急上昇し、木材先物価格は感染症前の記録的高値の約3倍にまで上昇しました。

しかし、ここ数年で市場は大きく変化しました。最近のアメリカの木材価格の下落に伴い、多数の木材工場が赤字または閉鎖しています。

木材市場コンサルタントのラス・テイラーは、このような価格で収益を上げることは誰にもできないと述べています。2020年以降、原木のコストから労働力の価格まで、製材業者のコストは大幅に上昇しています。現在の価格では、多くの木材工場が赤字です。

Potlatch DelticのCEOは、同社所有の製材工場が過去3年間で累計8億ドルの利益を上げ、今年第1四半期には不採算に陥る危機を回避したと述べています。

しかし、他の木材工場にはそう幸運ではありません。北米最大手の木材生産業者であるWest Fraser Timberは今年1月、カナダ・ブリティッシュコロンビア州とフロリダ州の工場を閉鎖し、アーカンソー州の別の工場の産量を無期限に削減しました。

アメリカ・コロラド州の木材ブローカーであるスティンソン・ディーン氏は、「新築住宅の建設工事データーは、私たちが見てきたすべてを裏付けています。明らかに、木材工場はまだ削減しきれていません」と述べ、「より多くの工場が閉鎖されると、木材価格は反発し、供給と乏しい需要は釣り合うことになるでしょう」と語りました。

今年のアメリカの木材価格の動向について、シニア・木材トレーダーであるBoeckholt氏は、「現在の水準でのまったりとした動きであり、第4四半期には価格が約50ドル程度上昇する可能性があります」と述べています。