share_log

抗体糖鎖分析の前処理を自動化して医薬品の開発迅速化に貢献抗体糖鎖自動前処理装置「MUP-3100」を発売

島津 ·  07/02 11:00
20240703_01.png

製品写真:抗体糖鎖自動前処理装置「MUP-3100」

島津製作所は、7月3日に抗体糖鎖自動前処理装置「MUP-3100」を発売いたします。本製品は、抗体医薬品の研究開発や品質管理に必須の抗体糖鎖分析において、手間のかかる「前処理」工程を自動化しました。従来は手作業で行っていた工程を6軸ロボットにより省人化・効率化することで、連続作業を可能にするだけでなく、作業ミスの低減、作業者の安全確保と負担軽減にもつながります。製薬企業や医薬品製造受託機関(CMO)、医薬品開発製造受託機関(CDMO)での利用を想定しており、業務の安全性と効率性を高めて医薬品の研究・開発の迅速化に貢献します。本製品は、住友ベークライト株式会社製の「Auto-EZGlyco mAb-N Kit for SHIMADZU」を用いた抗体糖鎖分析向けの専用装置です。

液体クロマトグラフ(LC)や液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)などによる機器分析で必須の「前処理」と呼ばれる工程は、複数の試薬と遠心分離機・ピペッターなどの機器・器具を用いるため煩雑です。また試薬を量りとる「分注」や試薬添加などの作業は、スキルや経験が求められます。製薬の研究開発や品質管理では、煩雑な前処理が研究者や技師の負担となっており、自動化への要望が高まっています。

抗体医薬品は、遺伝子組み換え技術を用いて細胞に生産させたタンパク質(抗体)で構成される医薬品で、がん細胞などの表面の目印となる抗原を標的とすることにより、高い治療効果と副作用の軽減が期待できます。一方で、抗体の表面に結合する糖鎖(糖が連結した化合物)などは、抗体医薬品の有効性・安全性などに影響するうえ生産管理が難しいため、LC・LC-MSによる糖鎖成分の分析が必要です。また、抗体医薬品などの後続品であるバイオシミラーの開発においても、先行品との糖鎖の比較試験が品質管理項目の一つになっています。本製品で、抗体糖鎖分析の前処理を自動化することで、作業者の負担を軽減し、正しい手順に基づいたより高い分析精度と再現性の提供を支援します。

島津製作所は本製品に加えて、糖鎖合成に関わる金属元素を分析するICP質量分析計や、糖鎖の基質となる糖などを分析するLC-MS用ソフトウェアなど、抗体医薬やバイオシミラーの開発に役立つ製品を幅広く提供しています。これらの製品・技術により、主なバイオ医薬品市場である北米やバイオシミラー産業やCMO、CDMOの成長が著しいアジア地域で販売を拡大するとともに、製薬企業やCMO、CDMOの業務効率の向上を通じて抗体医薬品の研究・開発の迅速化に貢献してまいります。

これらの内容は、情報提供及び投資家教育のためのものであり、いかなる個別株や投資方法を推奨するものではありません。 更に詳しい情報
    コメントする