■業績動向
3. 財務状況と経営指標
ミロク情報サービス<9928>の2024年3月期末の資産合計は、前期末比224百万円増の46,018百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では売上債権が607百万円増加した一方で、現金及び預金が958百万円、棚卸資産が186百万円それぞれ減少した。固定資産ではソフトウェア資産(仮勘定含む)が1,608百万円増加した一方で、のれんが123百万円、投資有価証券が652百万円それぞれ減少した。ソフトウェア資産の増加は、新製品の開発及び社内情報システム刷新のための開発費を資産計上したものとなっている。
負債合計は前期末比2,186百万円減少の18,831百万円となった。ゼロ・クーポンの転換社債型新株予約権付社債11,007百万円が償還期限到来により無くなった一方で、償還資金として銀行借入を実施したことで有利子負債が8,241百万円増加したほか、将来の売上となる契約負債が343百万円増加した。純資産合計は同2,411百万円増加の27,186百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益4,238百万円の計上と配当金支払額1,343百万円により利益剰余金が2,840百万円増加し、その他の包括利益累計額が保有株式の売却等により483百万円減少した。
経営指標を見ると、負債の減少に伴い自己資本比率が前期末の53.0%から58.0%に上昇した。有利子負債の増加により有利子負債比率は4.4%から34.3%に上昇したものの、ネットキャッシュ(現預金+有価証券-有利子負債)は90億円超と潤沢で、財務内容は健全な状態を維持している。また、ROEは前期末比0.4ポイント上昇の16.6%となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)