日前、『グローバル医療科学大会暨Global MedTech授賞式』で、清華同方（600100.SH）が自社開発のカーボンナノチューブ「冷陰極」分散型X線源技術が「2024年グローバル医療技術イノベーション賞（Global Medical Technology Innovation Award 2024）」に輝きました。この技術は約10年の探究と研究開発を経て、現在一般的に採用されている「熱陰極」X線源技術の予熱時間、消費電力、体積、柔軟性、効率などの制限を突破し、医療画像分野に革新をもたらします。
出典：清華同方提供
同社が開発したこの技術は、同社子会社である同方威視が主導しており、2022年のジュネーブ国際発明展で金賞を受賞し、現在はセキュリティ検査、医療画像、非破壊検査などの分野で広く利用されています。2022年9月21日には、「世界初のカーボンナノチューブ冷陰極分散型X線源を用いた静止型CT（ct（コンピュータ断層撮影））インテリジェントセキュリティ検査システムの開発に成功しました」という業績が、原子力機構が発行した原子力技術の10大ニュースの1つに選ばれました。
資料によれば、この「冷陰極」X線源は、予熱が不要で瞬時にON/OFFする能力があり、μs（マイクロ秒）単位のパルスビームを正確に制御することができるので、装置の消費電力や被照射量を劇的に低減し、装置の寿命を延ばすことができます。また、装置をより小型化し、統合しやすくすることもできます。同社はカーボンナノチューブ陰極の優れた特性を十分に活用し、分散型多焦点X線源を開発し、カーボンナノチューブ冷陰極X線源工作流強度を10倍以上向上させました。
医療分野では、この技術に基づく新しい医療X線画像システムが疾患の超早期スクリーニングおよびより精密な診断に貢献しています。口内3D画像システムは、同等の画像分解能とほぼ同じ放射線量のレベルで、複数の角度から歯の組織を超高速スキャンして静的3次元画像を作成できるため、この技術は静的な3D画像を構築するための機械運動を必要とせず、従来のデンタルX線機器で得ることのできなかった豊富な3次元画像詳細を提供することができます。これにより、口腔科医師は、咬合面や隣接部位の虫歯、根骨折、表面損傷および亀裂、および微細な根管の異常などの微小な歯の病変をより精確に、全面的に検出し、より正確な、より効率的な、より安全な診断を実現することができます。
現在、同社が開発した3DデンタルX線機器は北米で成功しており、国内外の口腔医療診断の基準を再定義し、患者により安全で正確な診断サービスを提供することが期待されています。