share_log

厚生労働省 薬事審議会における「ハートシート」の審議結果について

テルモ ·  07/19 11:00
bigjpgTop

2024年07月20日

テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:鮫島 光)は、心不全治療用の再生医療等製品「ハートシート」について、本年7月19日に開催された厚生労働省 薬事審議会(再生医療等製品・生物由来技術部会)での審議の結果、承認することは適切ではないと判断されたことをお知らせします。

テルモは、2015年9月にハートシートの条件及び期限付の製造販売承認(条件及び期限付承認)を取得し、その際に付された条件に基づき、ハートシートを使用した全症例を対象とした使用成績調査、およびハートシートを移植しない心不全患者群を対象とした臨床研究を実施しました。その上で、使用成績調査と臨床研究で得られた情報の比較評価(製造販売後承認条件評価)を実施し、その結果をもとに昨年9月に改めて製造販売承認申請を行いました。

再生医療等製品・生物由来技術部会で審議した結果、条件及び期限付承認時に設定した達成基準を満たさず、ハートシートを承認することは適切ではないと判断されました。なお、ハートシートの安全性については、条件及び期限付承認時に確認されたリスクや有害事象を超える新たな懸念は認められませんでした。

審議の結果を受けて、テルモはハートシートの販売を終了し、今後は医療機関と連携しながらハートシートを移植済みの患者さんの使用成績調査を継続します。製造販売承認申請に用いた使用成績調査や臨床研究の結果につきましては、医学雑誌等を通じて情報を公開していく予定です。

テルモは2003年にハートシートの研究開発に着手し、心臓移植以外に有効な治療の手立てがない重症心不全の患者さんへ新たな治療の選択肢を届けるために、ハートシートの製造管理・品質管理のプロセスの確立、治験の実施、市場導入などに取り組んできました。これまでの活動で得られた貴重な科学的知見を生かし、テルモは今後も再生医療等製品の開発に取り組み、医療の進化と患者さんのQOL向上に貢献してまいります。

(参考)7月19日に開催された再生医療等製品・生物由来技術部会での審議内容

■使用成績調査及び臨床研究の結果

<主要評価項目>
心臓疾患関連死

<重要な副次評価項目>
・いずれかの重大な心血管イベント※1による入院の発生までの期間
・ハートシート(以下、本品とする)移植後6ヶ月においてLVEF※2が本品移植時より5%以上改善した症例の割合

<症例登録数/有効性解析対象集団数>
本品群:使用成績調査 67例/49例
対照群(参照群):臨床研究 104例/102例

<評価結果>
・参照した臨床研究のデータが外部対照であり、調整を行ってもなお両群の比較には限界があるものの、主要評価項目である心臓疾患関連死までの期間について、本品群の対照群(参照群)に対する優越性は示されなかった。
・副次評価項目である心機能に関するLVEFの改善などでも、本品群で対照群(参照群)より優れた結果は認められなかった。
・安全性については、条件及び期限付承認時に確認されたリスクや有害事象を超える新たな懸念は認められないものの、本品の有効性が示されていないことから、ベネフィットリスクの観点から許容可能とは言えない。

※1 重大な心血管イベント:心臓死、補助人工心臓の植込み、心臓移植の実施。
※2 Left Ventricle Ejection Fraction:左心室駆出率。心機能のうち、心室収縮機能の代表的な指標。

テルモ概要

テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史を持つ医療機器メーカーです。日本に本社を構え、世界160以上の国と地域で事業を展開、30,000人以上のアソシエイト(社員)が革新的なソリューションを届けるために日々働いています。

国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきました。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。

テルモは、患者さんや医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指します。

プレスリリースは、当社情報をステークホルダーの皆様へ公平かつ適切なタイミングでお知らせするためのものです。文中に含まれる製品情報(開発中のものを含む)は、顧客誘引や医学的アドバイスを目的とするものではありません。
また、業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。さまざまな要因により、実際の業績等が変動する可能性があることをご承知おきください。実際の業績に影響を与えうる重要な要素には、テルモの事業領域を取り巻く経済情勢、為替レートの変動、競争状況などがあります。

ニュースリリース トップ

これらの内容は、情報提供及び投資家教育のためのものであり、いかなる個別株や投資方法を推奨するものではありません。 更に詳しい情報
    コメントする