雇用の促進、財政赤字目標の引き下げ、個人所得税の減税など…モディ新政府の最初の予算案が公表されました。

7月23日火曜日、インドの総理大臣モディ率いる連立政権は、2024年の選挙後初めての中央財政予算案を正式に提出しました。

予算案によると、モディ新政府は、就業を増やし、経済を刺激するために2兆ルピー（約23.9兆米ドル）の総合計画を提供する予定です。

新しい予算案は、今年4月1日に開始された臨時予算を代替し、モディの3期目の最初の予算案（2024/25年度）となります。

財政赤字目標を引き下げ、インフラストラクチャーの目標を変えない

インドの財務大臣であるニルマーラ・シータラマンは、新政府が今年重点的に取り組む雇用、スキルトレーニング、中小企業、中産階級について説明し、雇用に関連する一連の企業奨励措置を発表しました。

具体的には、モディ新政府の今期予算案の主な内容は以下の通りです。

教育とスキルトレーニングに1.48兆ルピーを提供する。

農業に1.52兆ルピーを提供する。

基礎設備に1.111兆ルピーを提供する。

エビの養殖に資金支援を提供する。

学生に資金支援を提供する。

東インドに高速道路と高速鉄道を建設するために2,600億ルピーを投資する。

ビハール州に新しい空港と医学校を建設する。

東インドに新しい発電所を建設するために2,140億ルピーを投資する。

流行中の間、インドの財政赤字は一時的にGDPの9.2%にまで急上昇しましたが、政府は着実に赤字を抑制しています。今回の予算案では、2024/25年度の財政赤字目標をGDPの4.9%に設定しています。

今年2月、シータラマン氏は、4月から始まった従前の臨時予算案に基づき、2024/25年度までの赤字目標を5.1%と予想し、2025/26年度にはさらに4.5%に下げると約束しました。

経済を刺激するための方法の1つとして、モディ政権は過去3年間でインフラストラクチャー支出を2倍に増やしました。長期資本支出はGDP比率で、2019/20年度の1.7%から今年の3.4%に上昇しました。

個人所得税を減らし、同盟国支援を増やす

モディ新政府は、一連の税制改革措置をとりました。

シタラマンは、所得税制度におけるスタンダード控除額（税金を払う必要のない固定額）を50,000ルピーから75,000ルピーに引き上げると述べました。シタラマンによると、新税制下では、所得のある雇用者は最大で17,500ルピーの税金を節約できます。

これまで、外国企業の所得税率が40％から35％に引き下げられ、携帯電話と充電器の関税が15％に引き下げられ、金と銀の関税が6％に引き下げられました。ただし、長期的な利益に課税する税率は12.5％に引き上げられます。

モディ政府が重点的に取り組んできたインフラストラクチャーに関する予算案では、2月に提出された11.11兆ルピーの支出予算が維持され、インドGDPの3.4％を占めます。

さらに、モディ新政府は、同盟国への財政支援を強化しました。

予算案には、モディが主要同盟国の1つである南部アンドラ・プラデシュ州を統治するテルグ・デサム党（TDP）に1兆5000億ルピーの財政支援を行うことが示されています。

今年のインド大統領選挙では、与党のインド人民党は下院の過半数を取得できなかったため、同盟国に頼ることで組閣権を獲得しました。

分析によれば、モディ新政府は同盟国の要望と予算支出のバランスを取る必要があるとされています。財政赤字と政府債務の抑制が、インドの信用格付け向上の鍵になります。現在、インドの信用格付けは、投資グレードの最低水準にあります。

市場反応

インド株式市場のベンチマーク株価指数Nifty 50は1％以上下落し、SENSEX指数も一時的に1％下落しました。

インド10年国債利回りは、2022年4月以来の最低水準まで下落しました。

金の輸入関税が削減された発表後、インドルピー/米ドルの為替レートは史上最低水準まで下落し、1米ドル＝83.63ルピーに低下しました。