藻場の再生とブルーカーボン事業に貢献へ
日本郵船株式会社とUrchinomics Group(ウニノミクス・グループ、以下「ウニノミクス」)を100%保有する Verdant Bloom Ltd.(ヴェルダント・ブルーム)は、海の生物多様性を支える藻場の再生と海藻・海草の二酸化炭素(CO2)の吸収・削減による温暖化防止への貢献を目指し、日本郵船がVerdant Bloom Ltd.に出資する契約を7月24日に締結しました。
藻場の現状
海洋の浅瀬に海藻が群生する藻場は、小魚をはじめとした海洋生物の隠れ場所や産卵場所などの生活の場になっていると同時に、光合成を通して大気中のCO2を吸収・貯留する「ブルーカーボン」として注目を集めています。一方で増えすぎたウニが海藻を食べつくし、藻場が枯れる「磯焼け」が近年大きな問題となっています。増殖したウニは飢餓状態にあり身が詰まっておらず、食用に適していないため採取も行われていません。
磯焼けした海の様子
ウニノミクスの事業
ウニノミクスは国内外の複数拠点で増えすぎたウニを採集し、天然由来の飼料を与えて食用に適したウニへと畜養を行います。畜養されたウニは食用として販売され、販売利益はさらなる事業拡大を通じてウニの除去や藻場の回復に還元されます。
循環型のウニノミクスの藻場回復の取り組みは高く評価され、「国連海洋科学の10年」において営利企業として世界で3社が選定された公式推薦プロジェクトの一つです。
ウニ畜養事業の循環型ビジネスモデル
日本郵船の出資目的
海運業を中心に総合物流を営む企業グループとして、日本郵船グループは「海への恩返し」の考えのもと、海洋環境保全を取り組むべき重点テーマの一つと位置付けています。藻場を再生する事で海の生物多様性を保全するとともに、脱炭素化にも貢献することを目的に出資を決定しました。炭素除去に寄与し将来的なポテンシャルが期待されるブルーカーボンの評価方法確立やクレジット化のノウハウ獲得に向け知見を重ねていきます。
Verdant Bloom Chairman and CEO Giles Cadman コメント
日本郵船との提携は、当社とウニノミクスにとって重要な節目です。気候変動と闘うため、自然を基礎とした総合的な解決策を模索するパートナーとの協業を重視してきました。環境問題に対する日本郵船の思慮深く先進的なアプローチは、当社の事業と非常に相性が良いものです。
日本郵船が当社の使命に信頼を寄せてくれたことに感謝し、藻場を再生し、気候変動と闘うための旅に共に乗り出します。このパートナーシップを通して、私たちの活動が極めて重要であることを強調するとともに、環境へ好影響を与えることを期待しています。
日本郵船株式会社 執行役員 栁澤 晋一 コメント
このたびの出資を通じて、磯焼けという社会課題の解決とブルーカーボンクレジット創出という新しい挑戦を両輪で力強く推進していきたいと思っています。日本郵船グループは、ウニノミクスの活動に対して出資のみならず付加価値提供も積極的に検討してまいります。
左: 日本郵船株式会社 執行役員 栁澤 晋一 右: Verdant Bloom Ltd. Chairman、CEO Giles Cadman
各社概要
Verdant Bloom Ltd.
本社:アイルランド
Chairman & CEO: Giles Cadman
事業内容:持株会社
Urchinomics Group
本社:英国
CEO:Perry Bevin
事業内容:ウニ畜養・畜養技術提供・ウニ販売
日本法人URL:
日本郵船株式会社
本社: 東京都千代田区
代表取締役社長: 曽我 貴也
事業内容:総合物流事業
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