昨日だけで、ビットコインの年初からの上昇はほぼ「半減」し、史上最高値から20％下落しました。売却行動が流動性を持続的に弱体化させるにつれて、ビットコインはさらに下落する可能性があるという見方もあります。
暗号資産市場が揺れて、投資家の信頼感が揺らいでいます。
月曜日、暗号資産は引き続き激しく売られています。ビットコインは1日で5万ドルを下回り、一時16％下落し、イーサリアムは23％の大幅下落となり、2021年以来の最大の下落幅を記録しました。
今年の初めに、米国証券取引委員会（SEC）が2つの主要な暗号資産現物ETF上場を承認し、米国大統領候補のトランプ氏が暗号資産を支持する旨を表明したため、ビットコインは株式市場の波動から脱却する兆候を示し、投資家のビットコインの将来に対する見方が徐々に楽観的になっていました。
Bloombergが編集したデータによると、2週間前、ビットコインとMSCI World株価指数の30日間の相関係数は-0.2となり、4年ぶりの負の値となりました。これは、ビットコイン市場と世界の株式市場が負の相関に転じ始めたことを意味します。
しかし、この“楽観的な物語”は昨日の暴落で激しく打ち破られました。景気後退の懸念が高まるにつれ、世界の株式市場の売りが強まり、ビットコインと世界の株式市場の相関性が再び高まり、地政学的な緊張状況が投資家の不安感に拍車をかけました。
昨日だけで、ビットコインは1年間の上昇幅のほぼ半分を戻し、過去の歴史的高値から20％下落しました。
デジタル資産投資会社GSRの共同CEO兼共同創設者であるリッチ・ローゼンブルム氏は、次のようにコメントしています。
「市場が1％下落するたび、投資家の信頼性に打撃を与えます。ビットコインは、ファンダメンタルズ商品（需要量と価格が比例する商品）の属性を持つという点で、市場の中でも最も信頼性が高いものです。」
堅調でない雇用データは暗号資産市場を一層苦境に陥れました。
先週の非農業部門雇用統計は予想を下回り、失業率が過去3年間で最高水準に上昇し、萎縮指数「サムルール」がトリガーとなり、リスク資産、暗号資産を含めた市場は暴落しました。ビットコイン現物ETFは当日、3か月ぶりに最大の資金流出に見舞われました。
Firebrand Researchの創設者兼CEOであるViriginie O'Shea氏は、次のように述べています。
「アセットリザーブとしてビットコインを保有することは、狂気じみた考えです。不安定な市場でアセットリザーブを求める場合、相対的に安定しているものを探す必要がありますが、暗号資産はその逆です。」
暴落の流れはまだ続くのでしょうか？
ビットコインは今後さらに下落する可能性があるとする観測があります。
データプラットフォームKaikoの上級アナリスト、Dessislava Aubert氏は次のように述べています。
「トレーダーは、毒のある資金が流入しないようリスクを減らしたいと思っているため、さらなる下落が見られるかもしれません。上位10位のオルタナティブコインでも同様の下落傾向を確認しています。」
Aubert氏は、8月初め以来、ビットコインはBinance、Bybit、Bitfinex、Coinbaseなどの主要な暗号資産取引所の1％市場深度（現在の価格から1％の変動範囲内の24時間平均取引量）が40％以上減少しており、売却行動が市場の流動性を弱めていることを意味します。
しかし、依然として業界内の一部の人々は暗号資産市場を強気視しています。
暗号資産ファンドであるSplit Capitalの創設者であるザヒール・エブティカール氏は、次のように述べています。
「これは一種の移行であり、TradFi（伝統的な金融）と同じく、（ビットコインの位置）は短期派生商品から長期保有へと移行しています。」