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培養最適化支援ソフトウエア「CellTune」を発売2024年内に細胞培養関連リカーリング事業を開始へ

島津 ·  09/03 11:00

島津製作所は、9月4日にAI(人工知能)が最適な細胞培養条件を選ぶ培養最適化支援ソフトウェア「CellTune」を発売します。本製品は、液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)および「LC/MS/MSメソッドパッケージ 細胞培養プロファイリング Ver.3」で培養上清液を分析したデータを基に培地組成や培養環境などについて最適条件を提案します。

細胞培養技術を用いる抗体医薬品や細胞医薬品は、培養工程に時間がかかり、培地も高額なため、大規模生産にはリスクが伴います。低コストかつ高品質に細胞を培養するには培養条件(パラメータ)の設定が重要です。培養に関わる主なパラメータは、アミノ酸やビタミンなどを含む培地の構成成分の濃度や培養環境の温度、pH(水素イオン濃度指数)などが挙げられます。ただし、培地を構成する成分だけで約100種類存在し、培地の組成や濃度は細胞ごとに異なります。従来は経験豊富な作業者がパラメータを検討してきたものの、効率には課題が残っていました。当社は2022年2月からAIスタートアップであるエピストラ株式会社(東京都港区、以下エピストラ)と培養条件の最適化ソリューション開発に取り組んできており、このたび培養上清液中の144成分を当社製LC-MSで分析したデータから培養結果への影響が大きいパラメータを抽出する「特徴量抽出モジュール」と、最適な培養条件を提案する「AI自動最適化モジュール」から成る「CellTune」を開発しました。

エピストラは、製薬企業や受託製造企業、微生物発酵技術を持つ食品メーカーなどに「CellTune」を用いた培養条件の最適化コンサルティングサービスを本日から提供します。島津製作所のグループ会社である島津ダイアグノスティクス株式会社(以下、SDC)は、細胞培養関連の試薬や培地などを製造しています。当社およびSDCは、「CellTune」が提案する培地などを提供するリカーリングビジネスを2024年内に立ち上げます。当社は今後、細胞画像やLC-MS以外の装置による計測結果もパラメータに加えて、「CellTune」を中心とした細胞培養支援技術・製品を開発していきます。

これらの内容は、情報提供及び投資家教育のためのものであり、いかなる個別株や投資方法を推奨するものではありません。 更に詳しい情報
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