11日の日本株市場は、米経済指標待ちのなか、膠着感の強い相場展開になりそうだ。10日の米国市場は、NYダウが92ドル安、ナスダックは141ポイント高だった。JPモルガンやゴールドマンサックスなど金融株が売られたほか、原油先物相場の下落からエネルギー株が弱く、NYダウの重荷となった。一方で、ハイテク株の一角が買われ、ナスダック指数は続伸となった。もっとも、8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を翌日に控えていることから、全体としては持ち高調整の売りが優勢となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比10円安の36140円。円相場は1ドル142円40銭台で推移している。
日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時35610円まで売られる場面もみられたが、終盤にかけて買い戻しの動きが入り、36100円で終えている。不安定ながらも36000円辺りでの底堅さは意識されやすいだろう。また、エヌビディアなど半導体の一角が買われており、リバランスの動きとは言え、東エレク<8035>などの下支えになると考えられる。
そのため、日経平均株価は昨日のレンジである36000円~36500円での推移が続きそうである。ボリンジャーバンドの-1σが35857円辺りに位置しており、同水準が支持線として機能しそうだ。また、週末には9月限の先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えている。先物市場では限月交代に伴うロールオーバーが中心になっているため、ポジションを大きく傾けてくる動きは限られる。短期的な売買に振らされやすい面はありそうだが、その後のカバーも速いだろう。
また、米大統領選挙に向けたハリス副大統領とトランプ前大統領によるテレビ討論会が日本時間10時から行われる。選挙戦の行方を左右するとみられるなか、発言等を手掛かりとした思惑的な動きはありそうだ。米国ではCPIの結果を受けてトレンドが出やすいと考えられ、持ち高調整の観点からは、内需系の利益確定に対して、ハイテク株の買い戻しとなる、リバランスの動きが意識されそうである。