20日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は大幅高で3日続伸、米株高を素直に材料視した展開に
・ドル・円は下げ渋り、日銀は現行政策を維持
・値上り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東京エレクトロン<8035>
■日経平均は大幅高で3日続伸、米株高を素直に材料視した展開に
日経平均は大幅高で3日続伸。前日比780.25円高(+2.10%)の37935.58円(出来高概算8億株)で前場の取引を終えている。
19日の米国株式市場は大幅反発。ダウ平均は522.09ドル高(+1.26%)の42025.19ドル、ナスダックは440.68ポイント高(+2.51%)の18013.98、S&P500は95.38ポイント高(+1.70%)の5713.64で取引を終了した。週次新規失業保険申請件数が4カ月ぶり低水準となり労働市場の減速懸念が後退し、寄り付き後、上昇。さらに、連邦公開市場委員会(FOMC)の大幅利下げが奏功し経済がそれほど落ち込まずソフトランディングにとどまるとの期待感も強まり、続伸した。ハイテクも強く相場を支援し、終盤にかけて上げ幅を拡大し、終了。
米国株の大幅反発を材料に東京市場は買い優勢で取引を開始した。米ハイテク株の上昇を受けて、東京エレクトロン<8035>など半導体株の上げが目立ち、日経平均は37700円台でスタートし、38000円台手前まで上げ幅を拡大。25日移動平均線(37450円水準)及び200日移動平均線(37620円水準)を上回った状態で前場の取引を終えた。
日経平均採用銘柄では、東京エレクトロンのほか、ソシオネクスト<6526>、レーザーテック<6920>、ルネサスエレクトロニクス<6723>など半導体株の多くが買われた。また、黒鉛電極の販売価格引き上げ発表を受けて、レゾナック・ホールディングス<4004>が買われたほか、東海カーボン<5301>にも思惑的な買いが向かった。このほか、川崎重工<7012>、村田製作<6981>、太陽誘電<6976>、古河電工<5801>、SUMCO<3436>、電通グループ<4324>などが上昇した。
一方、京成電鉄<9009>、小田急電鉄<9007>、東武鉄道<9001>など私鉄株が総じて軟調だったほか、イオン<8267>、丸井グループ<8252>、Jフロント<3086>など小売関連も安い。このほか、ZOZO<3092>、住友ファーマ<4506>、協和キリン<4151>などが下落した。
業種別では、石油・石炭製品、電気機器、非鉄金属、ガラス・土石製品、銀行業などが上昇した一方、陸運業、電気・ガス業の2セクターのみ下落した。
ランチタイムの為替は1ドル142円50銭水準で推移している。11時40分時点では、開催されている日本銀行の金融政策決定会合の結果は伝わっていないが、市場コンセンサスは「金融政策の現状維持」のため発表後、為替市場、株式市場の動きは限定的と考える。市場の関心は15時30分からの植田和男日銀総裁の記者会見に向かっており、後場の東京市場は目立った動きはないだろう。日経平均は高値圏でのもみ合いとなりそうだ。
■ドル・円は下げ渋り、日銀は現行政策を維持
20日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り。朝方に142円93銭まで値を上げたが、日本のインフレ上昇圧力を受け、円買いで142円14銭まで下落。ただ、日銀は金融政策決定会合で現行政策の維持を決め、追加利上げ期待の円買いは後退している。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は142円14銭から142円93銭、ユーロ・円は158円67銭から159円49銭、ユーロ・ドルは1.1157ドルから1.1163ドル。
■後場のチェック銘柄
・プレシジョン・システム・サイエンス<7707>の、1銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東京エレクトロン<8035>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・8月全国消費者物価指数(生鮮食品除く):前年比+2.8%(予想:+2.8%、7月:+2.7%)
【要人発言】
・鈴木財務相
「米利下げに伴う市場の影響は一概には言えない」
<国内>
・日銀金融政策決定会合(最終日)
・15:30 植田日銀総裁会見
<海外>
・15:00 英・8月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:+0.4%、7月:+0.5%)