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安全な手技と検査スループットの向上を支援X線テレビシステム用ソフトウェア「Smart FOV」を発売

島津 ·  10/02 11:00

島津製作所は、10月3日にX線テレビシステム「SONIALVISION G4」向けソフトウェア「Smart FOV(スマートエフオーブイ)」を国内で発売します。本ソフトウェアを使用することで、X線透視撮影の際、装置の寝台を動かすことなく撮影視野を移動でき、内視鏡を通じてカテーテルやガイドワイヤなどのデバイスを胆管や膵管に進めて透視・撮影しながら検査・治療を行うERCP(endoscopic retrograde cholangiopancreatography、内視鏡的逆行性胆管膵管造影)や患者の嚥下機能を透視撮影で観察する嚥下造影検査において、安全性の向上と検査・治療時間の短縮を実現します。

ERCPは、胆石の詰まりによる胆管の閉塞や膵管の狭窄などの疾患に対して用いられる治療法です。口から入れた内視鏡を通したガイドワイヤやカテーテルを胆管や膵管に挿入します。カテーテルを通じて造影剤を注入し、X線透視と撮影を行いながら胆管や膵管の異常を詳しく調べます。ERCPの臨床現場においては「寝台を動かさずに安全に撮影視野の移動を行いたい」「予期せぬ寝台移動により内視鏡が十二指腸から抜けるリスクを回避したい」というニーズがありました。当社はこれらのニーズに応え、視野移動と画像拡大表示を可能にするデジタル処理技術により、寝台を動かさずに、X線検出器のサイズ内の任意の位置に視野を移動できる「Smart FOV」を開発しました。「Smart FOV」は医師が意図しないタイミングで寝台が動くリスクを抑えて、「患者の安全性の確保」「手技の効率化」「医療従事者間の円滑なコミュニケーション」を支援します。

また、本ソフトウェアの発売に合わせて、透視画像上のデバイスを強調し、視認性を高める透視画像処理技術「DeEP」の操作性を改善しました。「Smart FOV」の提供と、臨床有用性が高い「DeEP」の性能向上により、当社は患者および医療従事者の負担を軽減いたします。なお、「Smart FOV」は今冬から海外発売を予定しており、12月に開催されるRSNA(Radiological Society of North America、北米放射線学会)にも出展します。

島津製作所は中期経営計画において、画像診断機器とAIやIoT技術を用いて新たな付加価値を提供する、「イメージングトランスフォーメーション(IMX)」戦略を推進しています。今後もカテーテルなどデバイスの微小化や高度化に対応した画像診断機器・ソフトウェアを通じて、低侵襲治療を支援していきます。

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「Smart FOV」利用イメージ
(点線部分が検査開始時、黄色い部分が移動後の視野範囲を表す)

これらの内容は、情報提供及び投資家教育のためのものであり、いかなる個別株や投資方法を推奨するものではありません。 更に詳しい情報
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