トランプ政権が暗号資産に対して親しい立場を持っていることを示す新たな証拠が加わりました。先週、商務長官の指名を受けたトランプ移行チームの共同リーダーであるルートニック（Howard Lutnick）は、彼が創立しCEOを務める金融サービス会社Cantor Fitzgeraldが最近、マネーロンダリングの疑いを持たれている暗号資産業界の会社と密接な関係にあることが明らかになりました。

ウォールストリートジャーナルは先週、ルートニックの会社Cantor Fitzgeraldの最も重要な顧客がスターブルコインTetherの発行元であるTetherのオーナーであり、Tetherの最大の株主であるデヴァシーニ（Giancarlo Devasini）であると報じました。Tetherの1340億ドルの資産の大部分はCantorが保有しており、その大部分は米国債です。現在、TetherはCantorを通じてこれらの米国債を保有し、安定したコインTetherの価値をサポートしています。この保管関係は毎年Cantorに数千万ドルの収入をもたらします。

報道によると、情報提供者はCantorとTetherが昨年契約を結び、CantorがTetherの5%の株式を保有していると述べています。契約時、Cantorはその株式の評価を6億ドルと見積もっていました。これは、Cantorが保有する資産規模の約5分の1に相当します。Fintelのデータによると、現在Cantorが保有している資産の総額は約35億ドルです。

もし上述の情報が真実であれば、ルートニックが商務長官に就任した後、Tetherはより多くの政治的支援を受ける可能性があります。報道は、ルートニックとデヴァシーニが将来の政府政策に強い関心を持っていると述べています。デヴァシーニは今年、ルートニックがTetherが直面する脅威を解決するために彼の政治的影響力を利用しようとするだろうと私的に述べたことがあります。

先月、メディアは米国司法省がTetherが制裁やマネーロンダリングの規制に違反しているかを調査していると報じました。この刑事調査はマンハッタンの米国検察官事務所の検察官によって行われ、Tetherが第三者を通じてドラッグ取引、テロリズム、ハッキングなどの違法活動に資金を提供したり、これらの活動から得られた利益を洗浄しているかどうかを調査することを目的としています。同時に、米国財務省はTetherに制裁を課すことを検討しており、Tetherは米国による制裁の対象となる個人や団体によって広く使用されています。

ルートニックはこれまでにTetherの財務状況に対して何度も公然と自信を表明しており、アルゼンチン、トルコ、ベネズエラなどの高インフレ国の人々にとって、ドルによって支持されたTetherが重要な役割を果たせると強調しました。

ブルームバーグは、Cantorが数十億ドルのプロジェクトを実施するためにTetherの支援を受けることを検討しており、Tetherとの財務的な関係を強化しようとしていると報じています。このプロジェクトは、ビットコインを担保とする顧客にドルを貸し出すものです。

今年7月、カントールは上述した融資プロジェクトを発表しました。ルートニックは当時、「ビットコインを持っている人々にレバレッジを提供します。20億ドルの融資を開始します」と述べました。

カントールは、大量の証券と商品を取り扱い、ビットコインの強力な支持者として、ビットコイン投資家の資金調達ニーズをサポートするプラットフォームを構築します。「ビットコインのすべての可能性を引き出すことに貢献し、従来の金融とデジタル資産の間のギャップを埋める手助けができることを嬉しく思います。」

関係者はブルームバーグに対し、カントールの上述したプロジェクトの資金は20億ドルからスタートし、最終的には数百億ドルに達する見込みであると語りました。

メディアは、ルートニックが商務長官に指名された後、カントールとテザーの業務の取り引きを同僚に移交する準備をしていると報じています。ルートニックの息子ブランドン・ルートニックは現在カントールでトレーダーとして勤務しており、前にはスイスのルガーノでテザーのインターンをしていました。

ルートニックが商務長官に選ばれる前、テザーのスポークスマンは声明の中で、「テザーとカントールの関係は完全に管理された準備金に基づく専門的なものである。ルートニックが（トランプの）移行チームに関与しているとする主張は、いかなる規制行動にも影響を与えることを示唆することはあまりにもばかげている」と述べました。