モバイルファクトリー<3912>は、位置情報連動型ゲーム「ステーションメモリーズ!(略称:駅メモ!)」等を主力サービスとするモバイルゲーム事業を展開。「駅メモ」は、ユーザーが駅に集まる思い出を収集する「ステーションマスター」になって、個性的なパートナーキャラ「でんこ」と一緒に日本全国の駅を巡る位置情報連動型ゲーム。位置情報機能を利用して駅や鉄道路線のコンプリートを目指す位置要素満載のコンテンツとなる。全国9,000ヶ所以上ある駅を対象としており、簡単操作で手軽にプレイできて、おでかけ記録や称号集めなど、色々な楽しみ方ができる。「駅メモ! Our Rails(略称:アワメモ!)」は、アプリ版「駅メモ!」での楽しみ方に加え、ユーザー自らフェアマスターとして駅を盛り上げる「フェア機能」が新たに導入されたユーザー共同運営型位置ゲームとなる。「駅奪取シリーズ」は、位置情報機能を使って最寄りの鉄道駅を「奪取」し、全ユーザーで日本全国の駅を奪い合う位置情報連動型ゲーム。日本全国9千以上の駅をコレクションしたり、10万以上ある称号を集めたり、ランキングを競ったり、毎日のログインで電車移動のライフログとしても楽しむことができる。位置ゲームには、他のジャンルと比較して、ユーザーの継続率が高いという特長があり、同社の位置ゲームもロイヤリティの高いユーザーから継続的に支持を受け、安定的な事業運営が可能となっている。
コロナ禍からの回復により、2023年12月期は過去最高の売上高を達成した。ただ、年間2億円超の赤字を出していたブロックチェーン事業からの撤退と、Suishowに関連するのれん代の全額減損損失により、営業利益945百万円に対して当期純損失0百万円となった。2024年12月期は売上高で前期比2.8%減の3,276百万円、営業利益で同7.0%増の1,011百万円が見込まれている。同社のコンテンツはライフログ的な性質上、ARPU(Average Revenue per User)が安定しており、10年近くかけて最高売上高を更新し続けている。ブロックチェーン事業からの撤退等で、業績は読みやすい状況であるといえる。新規会員獲得を伸ばそうとする場合、広告宣伝費が先行することになり、利益は圧迫されるが、着実に回収するモデルとなる。足もとまでは広告費を圧縮しつつも会員が集まる水準を模索しており、それが利益率の改善に寄与してきた。来期以降はApp Storeなどで禁止されていたアプリ外課金が解禁されることで、利益率の改善を図ることも本格化しよう。
また、同社は株主還元にも積極的。10月には株主優待を新設している。初回基準日を2026年3月とし、以降は毎年3月末日、9月末日現在の株主名簿に記載または記録された、同社株式1,000株以上を1年以上継続保有している株主様を対象に、各々デジタルギフト10,000円分が進呈されることになる。12月13日には、2025年12月期より中間配当を行い、剰余金の配当を中間配当と期末配当の年2回の実施することも発表している。現状、2025年12月期の配当予想は未定だが、今期予想でも配当利回りは3.88%となっている。