ドイツのアンジェラ·メルケル首相はローマへの別れの訪問で、ドイツが欧州の他の国と財政を共有したい程度は限られているとイタリアのマリオ·ドラギ首相に伝えた。
この10年前にユーロ圏の金融嵐を共に経験した2人の指導者の間で温かい言葉が交流された。しかしメルケル氏もユーロ圏の真の財政連合設立の見通しに赤い線を引いた。
“移行支払い連盟は欧州にとって良いことではない”と述べたメルケル氏は、ドラギとともに行われた共同記者会見で“私の考えでは、物事には常に条件がある”と述べた
このドイツの指導者たちは政権16年後にまもなく退任するだろう。彼女が離職すれば、ドラギは2011年の通貨同盟がほぼ崩壊した暗い日を直接体験したEUの少数の指導者の一人になるだろう。
メルケルとドラギは友好的な関係にあるにもかかわらず、彼らはEUの未来の討論で違う立場にある。ドラギ氏は欧州中央銀行の元総裁で、ユーロ圏を強化するためにユーロ圏各国政府に財政同盟を構築するよう長年促してきた。
ユーロ圏最大の経済体の責任者として、メルケル氏はドイツ納税者が他国の支出に縛られないようにすることにより慎重な態度を持っている。
昨年合意した共同債券発行でEU回復基金に資金を提供する合意は、ドイツにとって分水嶺となった。
“回復基金がイタリアで成功すれば、社会と経済にとって、私たちの成長はもっと速く、信頼できる”とドラギは言った。“そして一度ではない努力を考えることができる。連帯は常に責任とリンクしている“