電気自動車(EV)は電気を動力とする自動車で、原動機には従来のガソリンを使ったエンジンではなく、電動モーターを用いる。広義のEVにはハイブリッド車(HEV、PHEV)や燃料電池車(FCEV)も含まれるが、ここでは狭義のEVであるバッテリー式EV(BEV)のみを取り上げる。 比較的二酸化炭素排出量が少ないとされるEVへのシフトは、社会的な要請の面からも不可避な流れとなっている。ただし、コスト削減を含めた技術開発の進展度合いや、政府などの補助政策などによって、その速度は変化することが想定される。 EV開発のカギであるバッテリー(電池)技術は、エンジン技術とは一線を画している。また、ガソリン車に使用する部品数が約3万点であるのに対し、EVは約2万点といわれる。こうした事情から、米テスラや中国BYDが台頭したように、EVの普及は自動車メーカーおよび自動車部品メーカーに関する勢力地図を塗り替える可能性がある。電子部品メーカーがEV部品製造を強化するケースも増えている。 EVに関する銘柄としては、EVメーカーのほか、バッテリーなどの部品メーカー、充電設備関連事業者などが挙げられる。バッテリーについては、現状では液体電解質を用いたリチウムイオン電池が採用されているが、安全性や耐久性、充電速度、航続距離(一度の充電で走行できる距離)などの面で優れる全固体電池の開発が進められている。全固体電池の普及は、EV業界のゲームチェンジャーになるともいわれている。