データセンター（DC）は、コンピュータを使用する際のサーバーやネットワーク機器などを設置するための施設を指す。 今後のDC市場を拡大する大きな要因に、AI需要が挙げられる。生成AIなどに対応するAIサーバーの導入はデータ処理量や消費電力量の増加を伴うが、そのニーズに応えるのがハイパースケールデータセンター（HSDC）だ。経済産業省および総務省による「デジタルインフラ（DC等）整備に関する有識者会合」資料（2023年3月、出所：富士キメラ総研）によると、2020年対比での25年のデータセンター市場（稼働ラック数ベース）は、一般的なDCが3％増にとどまるのに対し、HSDCは2.5倍以上に急増する見通し。 アマゾンやマイクロソフトのような巨大クラウドサービス事業者だけでなく、情報通信関連やSaaS（サービスとしてのソフトウエア）およびFinTech企業など、AI対応を進める事業者のニーズも高まるとみられている。 HSDCに明確な定義はないが、サーバーを5000以上格納でき、電力容量が平均25メガワット以上、1000㎡以上の施設を指すこともある。外資系企業による国内でのHSDC稼働が目立っているが、国内上場企業の中にも外資との合弁や自社単独でHSDCの稼働および建設を進める動きがある。