米9月の非農業部門雇用者数は全体的に予想を大幅に上回り、失業率も4.1%まで低下したことにより、連邦準備制度理事会(FRB)が今年残り2回の会合で大幅な利下げを実施する必要性はさらに低下した。トレーダーはFRBが11月と12月に25ベーシスポイントの利下げを実施すると予想している。 次の4回のFOMC会議についてトレーダーは100ベーシスポイント未満であると予想。
米国労働省が発表した9月の非農業部門雇用者数は25.4万人増、市場予想の14.7万人増を大幅に上回り、2024年3月以来最も大きな伸びとなった。7月の非農業部門雇用者数は8.9万人から14.4万人に、8月は14.2万人から15.9万人に上方修正された。 修正後の7月と8月の雇用者数の合計は、修正前より7.2万人増加した。
9月失業率は4.1%、市場予想の4.2%を下回り、2024年6月以来の低水準となった。前期は4.2%。
平均時給は前月比0.4%上昇、市場予想の0.3%を上回り、前期は0.4%から0.5%に上方修正。
トレーダーは11月の米連邦準備制度理事会(FRB)による50ベーシスポイントの利下げ観測を下方修正した。 トレーダーは今後4回のFRB会合での利下げ幅は100ベーシスポイント以下と予想。CMEフェドウォッチツールによれば、トレーダーは11月6日から7日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%(25ベーシスポイント)の利下げを予想する確率を、木曜日の67.9%から89.6%に引き上げた。
9月米雇用統計が予想より強い結果となったことで、米金利の上昇とともにドル買いで反応した。一時148.48円まで上昇幅を拡大。ナスダック100先物は1%上昇し、S&P500先物は0.7%以上、ダウ先物は0.5%以上上昇。
9月の雇用創出を牽引したのは、レストランやバーなどであり、接客業は過去12ヶ月の平均が1万4,000人であったのに対し、9月は6万9,000人の雇用を増やした。また、雇用成長の一貫したリーダーであるヘルスケアは4万5,000人の増加を記録し、政府部門では31,000の増加となった。その他、社会福祉分野で2万7,000人、建設業で2万5,000人が増加した。
労働省によると、労働参加率は62.7%で横ばい。拡散指数は8月の51.8から57.6に上昇し、9月の雇用創出がより多くのセクターに及んだことを示した。
アナリストのヌール氏は、米国が驚くべき雇用データを発表した後、ドルが日中の高値に達したと述べた。米国経済の「例外論」がFRBの利下げに対する期待を抑制し続ける限り、ドルの上昇は続く可能性がある。
プリンシパル・アセット・マネジメントのアナリスト、シーマ・シャー氏は、FRBがインフレに目を向ける必要があると述べた。その他多くの強い経済データが示すように、米国経済は依然として強い。FRBが政策緩和を進める中、景気後退のリスクは消え去った。市場はインフレに注視する必要がある。なぜなら、現在の経済には政策リスクが存在しているからだ。
ーmoomooニュースSherry