■主要開発パイプラインの概要と進捗状況
4. 宇宙飛行士向け超小型眼科診断装置「SS-OCT」
窪田製薬ホールディングス<4596>は2019年に、宇宙飛行で発症する眼疾患に関する研究を行うための超小型眼科診断装置「Swept Source-OCT(以下、SS-OCT)」の開発プロジェクトに関してNASAと開発受託契約を締結し、2020年初に第1フェーズの開発ミッションを完了した。開発の第2フェーズについては2021年に米政府が民主党に政権交代したことや、コロナ禍の影響で国家予算がコロナ対策に振り向けられた影響でNASAの開発予算が削減され、その後は中断状態が続いている。
同プロジェクトは、長期的な宇宙飛行を経験した宇宙飛行士の約69%が、視力障害や失明の恐れがある神経眼症候群を患っているという研究報告※をもとに、宇宙飛行が眼領域に与える影響を研究することが目的である。現在、国際宇宙ステーション(International Space Station、以下、ISS)で使用されている市販のOCTは据え置き型で操作が複雑であり、数ヶ月間のISS滞在中に宇宙飛行士は3回しか検査できていなかった。今回、開発する超小型SS-OCTは、飛行士自身が毎日測定して記録を保存することが可能で、宇宙飛行が眼疾患に与える影響をより詳細に分析することで、疾患リスクの軽減や予防などに役立てていく。
※かすみ目や視神経乳頭浮腫、眼球後部平坦症、綿花状白斑等の眼疾患症状が報告されている。
開発フェーズは全体で3ステップに分かれており、第1フェーズのミッションは、耐久性と安価な光源であるレーザーを使用した概念実証(POC)の確認で、複数のレーザーを用いて視神経乳頭の形状を高解像度で測定する装置を開発することであった。2020年1月にNASAで実施したデモンストレーションでは、NASAのプロジェクト担当者から高い評価を受けた※。2020年2月に第1フェーズの開発を終了し、同年4月に開発報告書をNASA及びTRISHに提出し、開発受託収入37百万円を2020年12月期に事業収益として計上した。
※NASA担当者から、次のようなコメントが寄せられた。「小型でありながら操作が簡単で、データ処理が早い。宇宙飛行中の眼球への影響を研究するために、ISSで大いに役立つと信じている」「フェーズ1の使用条件を満たしているだけでなく、期待以上の完成度であった。外見も洗練され、軽くて持ちやすい。フェーズ2での仕上がりが楽しみである」
第2フェーズは、同装置を用いてどのような画像解析手法で宇宙飛行に起因する眼疾患の検証を行うか、運用上で必要となる要件定義を固める工程となり、最終の第3フェーズでは、実際に宇宙飛行環境において使用可能な装置の開発を進める工程となる。具体的には、宇宙放射線被ばくに対する耐久性を持ち、無重力環境下で宇宙飛行士自身が操作できるハードウェアの開発を提携企業と共同開発することになる。
現在はプロジェクトが中断中であるが、NASAのプロジェクト担当者とは定期的にミーティングを行っており、継続の意向を確認している。このため、今後開発予算が付き次第、再開されるものと予想される。NASAでは月面飛行プロジェクトが動き始めるなど予算が再び付き始めていることから、今後プロジェクトが再開される可能性は十分にあると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
■主要开发管道的概述和进展
4。适用于宇航员的超紧凑型眼科诊断设备 “SS-OCT”
久保田制药控股<4596>于2019年与美国宇航局签署了开发合同,内容涉及超紧凑型眼科诊断设备 “Swept Source-OCT(以下简称SS-OCT)” 的开发项目,该设备用于研究太空飞行引起的眼部疾病,并于2020年初完成了第一阶段的开发任务。至于第二阶段的发展,由于美国政府在 2021 年将政府改为民主党,以及由于 COVID-19 疫情的影响,国家预算的影响转向 COVID-19 对策,美国宇航局的发展预算被削减,从那时起中断状态一直持续下去。
该项目的目的是根据一份研究报告*研究太空飞行对眼部区域的影响,该报告显示,在经历过长期太空飞行的宇航员中,约有69%患有神经眼科综合症,存在视力障碍或失明的风险。目前,国际空间站(国际空间站,以下简称ISS)使用的市售OCT处于静止状态,操作复杂,宇航员在国际空间站停留数月期间只能进行3次检查。这次研制的超紧凑型SS-OCT可以由宇航员自己每天测量并存储记录,通过更详细地分析太空飞行对眼病的影响,将有助于降低和预防疾病风险。
* 已报告了视力模糊、视盘水肿、后眼平整和棉质白斑等眼部疾病症状。
整个开发阶段分为三个步骤,第一阶段的任务是使用激光器确认概念验证(POC),激光是耐用且廉价的光源,并开发一种使用多台激光器以高分辨率测量光盘形状的设备。2020年1月在美国宇航局进行的演示获得了美国宇航局项目的高度赞扬*。第一阶段的开发于2020/2年度完成,同年4月向美国宇航局和TRISH提交了开发报告,3,700万日元的开发合同收入被记录为截至2020/12财年的业务收入。
*以下评论来自美国宇航局人员。“尽管它很小,但它易于操作,而且数据处理速度很快。我相信在国际空间站研究太空飞行期间对眼球的影响将非常有用。”“它不仅满足了第一阶段的使用要求,而且还比预期的更完整。它还具有精致的外观,轻便且易于握持。我期待着第二阶段的结束。”
第二阶段是确定使用哪种图像分析方法来验证使用同一设备进行太空飞行引起的眼部疾病的过程,在最后的第三阶段,是继续开发一种实际可用于太空飞行环境的设备的过程。具体而言,将与伙伴公司共同开发具有耐久性且可由宇航员自己在零重力环境中操作的硬件。
目前,该项目已暂停,但定期与美国航天局的项目人员举行会议,继续执行的意图已得到证实。因此,预计将来一旦附上发展预算,就会恢复开展。由于美国宇航局再次开始分配预算,例如月球飞行项目开始启动,我们认为该项目很有可能在未来恢复。
(作者:FISCO 客座分析师佐藤乔)